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プーチンはキューバ危機の時のケネディのようだ

我々はウクライナ政府がNATO加盟を先送りするか、もしくは中立を宣言してロシア軍の介入を避けると見ていたが、ウクライナ政府はあまりにも愚劣で、アメリカのシナリオの通り演ずる役者であった。彼らはアメリカがウクライナを捨て駒にしていることすら理解しなかった。

一国の安全保障の危機に際し、経済制裁の脅しなど通用しない。アメリカは2014年にウクライナでクーデターを起こさせて、親ロシア政権を打倒した。このときの野党は極右やネオナチすら含む劣悪な政権だった。ロシアはもともとロシアの領土だったクリミアを併合し、ロシア人居住区の2つの地域の自治を求めていた。ミンスク合意を破棄して争いを起こしたのは明らかにアメリカの手先だった。

かってキューバ危機の時、ケネディ大統領(当時)はキューバを海上封鎖しソ連のミサイルの配備を阻止した。プーチンは「彼は(軍を送って)地域の平和を維持すると言っている。最強の平和維持軍だ」(トランプ)つまり、ロシアは自国の安全を口実にウクライナの武装解除を進める。そうすればウクライナ国民はもともとロシアとの関係を改善すれば安いエネルギーが手に入るので、親ロシア政権を歓迎する。

プーチンは以下のように言っている「われわれは2021年12月、NATO不拡大と欧州の安全保障の原則に関し、米国と同盟国と合意ができないかもう一度試みたが、米国は態度を変えなかった。」
「2014年にウクライナでクーデターで権力を得た勢力は、お飾りの選挙で力を保持し、平和解決の道を放棄した。われわれは平和的に解決する手段を探ってきたが水泡に帰した。ロシアに希望を持つ100万人へのジェノサイド(集団殺害)を止めなければならない。ドンバスの人民共和国の独立を認めたのは、人々の望みや苦痛が理由だ。」
「NATOの主要国はウクライナの極右勢力とネオナチを支援し、クリミアの人々がロシアに再統合する選択を許さないだろう。彼らはドンバスと同様にクリミアでも戦争を起こし、ヒトラーの共犯者同様、市民を殺害する。ロシアと自国民を守るにはこの手段しかない。ドンバスの共和国はロシアに助けを求めており、迅速な行動が必要だ。」というものだ。

アメリカはロシアのこのような行動を計算ずくであった。ウクライナを「捨て駒」にすることで対ロシアの経済制裁を行い、欧州経済圏のロシアへの拡大を阻止できる。バイデンは親中国政権であり、反ロシア政権だ。しかしアメリカやイギリスの経済制裁はロシアには効果がない。必要なものは中国を通じてロシアに入るからだ。

全世界的な視点で見ると、アメリカがアフガニスタンに続いて、ウクライナを見捨てたことは覇権国への信頼を失わせることになる。それだけでなく日本の立場から見ると三正面に敵を抱えることになり、これはロシア以上に安全保障上の危機なのである。

また中国にすればロシアがドンバス人民共和国などの独立を認めたことは、台湾の独立を認めることにつながる可能性が高い。中国にとってもミンスク合意(自治)を破棄させたアメリカの手法と、独立を承認したロシアの手法は認めがたいのであるが、アメリカと覇権を争っている以上ロシアを味方にしておけねばならない。これは中国の抱える外交上の矛盾である。

問題は今回の事態で、欧州経済が危機に陥ることである。経済制裁をやりすぎるとロシアからのエネルギーが断たれることになり、欧州は約4割のエネルギーを失うことになる。
日本にすればアメリカが仕掛けたことであり、欧州の事であるから、制裁には加わらない方がいい。しかし自民党政権はずぶずぶの対米従属主義なので、ロシアへの制裁を強化するであろう。そうなると世界経済の先行きを心配しなければならなくなる。

いずれにせよバイデン戦略はとことんピントがずれており、ボケが進んでいるとしか思われない。世界の民主主義の主敵は習近平ファシスト政権であるのに、中国に「漁夫の利」を与えるバイデン外交は、第二次大戦前のチェンバレン英首相の融和政策とよく似ている。アメリカの同盟諸国は警戒の目でアメリカ外交を見なければならなくなった。
#バイデン外交 #ウクライナ侵攻
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コメント

バイデンは政治屋!

 バイデンに戦略を期待するのは無理です。金を出す国を支持する人物ですから。
 以前ウクライナでバイデンの息子がウクライナ企業の幹部に座り、アメリカ政府の援助の窓口となり、金を稼いでいたのは有名な話です。
 今は中国から利益を得ています。

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