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アメリカはウクライナをロシアに渡したいのか?

 アメリカ政府の、ロシア軍がウクライナに侵攻するというバカ騒ぎで、ウクライナの米大使館なども放棄して首都から立ち退き、アメリカ人に退避を勧告している。ウクライナはもともと旧ソ連領であり、ウクライナにはロシア人もたくさんいる。親ロシア勢力も強い。

 アメリカとロシアが双方とも産油国であり。ウクライナ情勢が緊迫することで原油が高騰することでアメリカもロシアも経済的利益を享受できる。中東の産油国はアメリカの兵器売却の顧客である。原油の高騰はアメリカ政府にはいいことずくめといえる。またロシアも原油高騰でぼろ儲けしている。ウクライナの軍事的緊張状態を作ることでアメリカとロシアは結託しているように見えるのである。しかし現在のウクライナ危機はそれだけではないように見える。

 地政学的にアメリカがウクライナを守るのは、アフガニスタンと同じで不可能だ。アメリカ政府はアフガニスタンとは違うやり方でウクライナから撤退しつつあるように見える。つまりアメリカはウクライナを餌に、ロシア軍を侵攻させて、あるいはウクライナ政権を親ロシア派に握らせて、その対抗措置として、対ロシア経済制裁を強化し、そのことで欧州とロシアの経済的結びつきを断ち切ろうとしているように見える。

 アメリカ政府が侵攻が始まってもいないのに、ウクライナの大使館を引き揚げ、アメリカ人の国外退去を進めるのは、ウクライナの親米勢力にとっては見捨てられるに等しい。つまりウクライナにおけるアメリカの影響力は今後消えていくことが避けられないのである。
 少なくともバイデン政権の動きはウクライナをロシアに引き渡したいのか?と思えるほど逃げ腰なのである。今後ウクライナ政府が、親ロシアに変節することもあり得るであろう。

 バイデン政権のこうしたウクライナ政策に対し、フランスとドイツが、ウクライナとロシアの4か国で今後の和平を話し合う方向を追求しているのは、欧州とロシアをウクライナ問題で分断するアメリカの戦略に反対しているからであろう。欧州はユーロ経済圏をロシアまで拡大したいのである。そうなればユーロはドルに並ぶ世界通貨の地位を手に入れることになる。

 問題はロシアのプーチン政権が、ウクライナを勢力圏として確保し、それで支持率の回復を目指すのか?それとも欧州との経済圏を大事にするのか?という選択である。プーチンは軍事力という形ではなく、ウクライナのNATO加盟を阻止しつつ、欧州との緊張緩和を図るのではないかと思える。つまりバイデンの策にはのらない可能性が強いのである。プーチンにとっての経済的利益は天然ガスの売却先の欧州にある。アメリカとの関係を改善してもロシアの利益にはならない。原油の高騰では利害が一致するが、欧州とロシアの経済関係を遮断することはプーチンは避けるであろう。

 つまりバイデン政権のウクライナ政策は、アフガニスタンとは違う撤退戦略で終わる可能性がある。ウクライナ問題での主導権はロシアと欧州の側にあるといえる。アメリカの世界覇権が相対的に衰退し、多極化の中での緊張状態は、大国間の不可解な合従連衡の時代なので、分かりにくい外交戦が繰り広げられるのである。事態は第2次世界大戦前の政治状況に酷似している。
#多極化の中での外交戦
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コメント

米ロの出来レース?

 わかりにくいが、プーチンがアメリカの罠に引っかかるとも思えない?
バイデンは、アフガニスタンの失敗から、別の撤退を考えたのかも?

プーチンは支持率を上げたい

 アメリカの誘いに乗るかも?
  その場合困るのはドイツとフランスですね。
    アメリカもウクライナを見殺しにしたら、バイデンは終わりでは?

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