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欧州はアメリカを排除した形のウクライナ和平目指す!

 ウクライナ問題でのアメリカと欧州の戦略の違いが明白になってきた。オースティン米国防長官は12日、ウクライナに訓練目的で駐留する米兵160人に対し、他の欧州諸国に移動するよう命じた。ロシア国防省は12日、千島列島のウルップ島(得撫島)周辺での軍事演習中に米原潜を発見し、領海侵犯を理由に浮上を命じたが無視されたため、露太平洋艦隊に所属するフリゲート艦が「対応する措置」を取ったと発表した。アメリカは欧州への米兵の増派を一層進めている。アメリカは何が何でもロシアとの緊張状態を作り出そうとしているように見える。

 これに対し、欧州は対話による和平の維持を目指しているように見える。フランス大統領府の声明によると、マクロン大統領はプーチン氏との会談で、ウクライナ情勢や欧州の安全保障をめぐり、対話を続ける意思を確認。プーチン氏に対し、緊張が高まれば、誠実な対話はできないと伝えた。マクロンとウクライナのゼレンスキー氏との会談では、フランス、ドイツ、ロシア、ウクライナの4カ国による対話を継続する意思を確認した。フランスは、アメリカを加えない形で、フランス、ドイツ、ロシア、ウクライナの4カ国による和平協議を進め、緊張緩和を実現しようとしている。

 アメリカは、ウクライナへのロシア軍が侵攻した場合の経済制裁に対抗し、ロシアが欧州への天然ガス供給を止めた場合、日本が契約確保している天然ガスから約60万トン分を欧州に回すことを約束したと報道されている。日本はロシアから天然ガスの10%を購入している。ロシア制裁となると欧州に天然ガスを60万トンも回す余裕などない。アメリカは何が何でも対ロシア制裁を実施し、ユーロ圏のロシアへの拡大を阻止したいのである。

 しかしアメリカのこの欺瞞的なロシア軍のウクライナ侵攻のカラ騒ぎは、欧州とロシアに見抜かれている。アメリカが本当にウクライナを守るのなら、米兵をなぜウクライナに派兵しないのか?アメリカが最近アフガンスタン政府軍を見捨てたことは全世界が知っており、またアメリカ金融資本が最近中国への投資を増やしていることも知っている。バイデンの中国重視戦略は嘘であり、実際は欧州とロシアの間を分断することにアメリカの戦略の狙いがある。

 したがってドイツとフランスがウクライナ政府とロシア政府との話し合いで、アメリカを排除した形で緊張緩和を目指す方向なので、アメリカの戦略は失敗することが確実なのである。それゆえアメリカは極東の千島列島での、米原潜を領海侵犯させて対ロシアとの緊張激化を画策していると見るべきであろう。ウクライナ問題の主導権は欧州とロシア側にある。欧州は対ロシアとの冷戦は望んではいないのである。何よりもウクライナ政府が「ロシア軍は侵攻を行う配置は取っていない」と述べている。
 バイデン外交は分かりにくいだけでなく、同盟国の欧州の戦略的拡大阻止を狙うなど、対中国重視戦略とはとても言えないのである。
#バイデンのウクライナ外交の欺瞞 
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