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ドル支配の維持がウクライナ問題カラ騒ぎの狙い!

 米紙ワシントン・ポストなどの報道によると、ロシアがウクライナに軍事侵攻した場合、最大5万人の民間人が死傷する可能性があると米政府が分析していることが分かった。大規模な侵攻となれば首都キエフの政府は2日間で制圧され、500万人の難民が生じる恐れがあると報じた。
 
 米国防総省は米本土から米兵約2千人をポーランドとドイツに増派し、ドイツに駐留する部隊から約1千人をルーマニアに派遣すると発表し、実際に増派している。カービー報道官は増派する部隊について、「ウクライナで戦うことはない」としている。アメリカはまるでロシアにウクライナを侵略させたがっているように見える。

 アメリカは、ロシアに勢力圏保持に向け動かすことで、新たな冷戦ラインを構築し、EUとロシアの経済的結びつきを断とうとしている。つまり欧州がロシア経済圏を手にいれること(=ユーロ経済圏の拡大)がアメリカは気に食わないのである。ロシア軍侵攻でのウクライナからの大量の難民で欧州を困らせるのもアメリカの狙いなのである。

 ロシア産天然ガスをドイツに送る海底パイプライン「ノルドストリーム2」に関しては、ロシアが侵攻した場合、稼働させるわけにはいかないと言うのがアメリカ政府の考えである。ドイツはノルドストリーム2をウクライナ侵攻時の対ロシア制裁の対象に含めるかどうか明確にしていない。ドイツはウクライナへの武器支援にも反対し、ヘルメットを送るにとどめた。

 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は6日、米テレビのインタビューに相次いで応じ、ロシアがウクライナを侵攻した場合に中国が支持すれば「何らかの代償を伴うことになるだろう」と述べた。米欧が経済制裁を発動した際は、規定を守らなければ「罰則」もあり得ると語った。一方、中露が4日の首脳会談後に発表した共同声明ではNATOの東への拡大に反対している。つまりロシアは緊張緩和を求めている。中国にすればロシアにとってのウクライナは、台湾問題と共通するので、アメリカの経済制裁の脅しが通用するとも思えない。

 ロシアは原油価格や天然ガスの価格暴騰で外貨収入が急増しており、また中国への資源の輸出で経済的に余裕ができているし、中ロの同盟関係への進展で、アジアのロシア軍を西部へ移動させることができるようになった。今や以前のロシア軍ではない。プーチンはアメリカがロシア軍をウクライナに侵攻させたがっていることを見抜いている。しかし旧ソ連領が次々NATOにとられていることへのロシア国民の反発が大きいので、支持率のアップが見込まれるのであればプーチンはウクライナへ侵攻する可能性はある。

 以上のように見ると、バイデン政権の戦略はアジア重視ではなく、欧州重視であり、トランプ以上に欧州への態度は厳しい。アメリカは中国との覇権争いよりも、ユーロ圏の東への拡大(すなわちドル支配の崩壊)を怖れているということである。ロシアが欧州(=ユーロ圏)との経済的結びつきを強化すれば、ドルの世界通貨としての地位は危ういのである。

 つまりアメリカ政府の、ロシアのウクライナ侵攻のカラ騒ぎは、中国にとって極めて有利で、軍事力強化の時間的余裕を得ることができる。ましてや日本はアメリカの戦略のおかげで二正面戦略、さらに北朝鮮の核ミサイルの脅威も入れると三正面戦略を強いられることになりかねない。バイデン政権の戦略外交は、トランプ政権の同盟関係廃棄以上にたちが悪いというべきだ。
#米のウクライナ問題の狙い
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コメント

米は独裁国家を全て敵にして勝てるのか?

どう考えても勝てそうにない。
バイデンは戦略観点がおかしい?
アメリカは日本のことなど考えていないな!

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