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米国務長官が「全面戦争の時代に戻ってしまう」と警告した狙い

 アメリカはソチオリンピックの間に、ウクライナのクーデターを画策し、反ロシアの政権を作り上げた。ウクライナは旧ソ連の領土であり、そうした意味で中国が台湾を「国内問題」と認識していることと、ロシアにとってのウクライナ問題はよく似ている。プーチンがウクライナのクリミア半島を占領したときに、軍事的にアメリカは何もできなかった(=しなかった)のである。

 報道によると20日、アメリカのブリンケン国務長官はベルリンを訪問し、フランス、ドイツ、英国の外相と会談した。緊張が続くウクライナ情勢をめぐり、ロシアの軍事侵攻を抑止するための結束を確認し、「ロシア軍が少しでも国境を越えて攻撃すれば、厳しく団結した対応をとる」と改めて警告した。

 ブリンケン国務長官は、戦後の平和を守ってきたのは、武力による国境線の変更禁止という原則だと強調。ロシアに原則違反を許せば、「全面戦争の脅威があった時代に戻ってしまう」と述べた。「これは二国間の争いを超えた意味を持ち、世界的な影響を及ぼす危機だ」と深刻さを訴えたという。

 ロシアのプーチン大統領の意図について、ブリンケン国務長官は「軍事侵攻に向けた下準備をしている」「彼はウクライナを主権国家だと考えていない」と指摘し、ロシアはウクライナを自国の一部とみて軍事侵攻に出る可能性があるとの見方を示した。
 ブリンケン氏は21日、ジュネーブでロシアのラブロフ外相と会談する。だが、「まさか明日のジュネーブで解決できるとは期待していない」として、緊張緩和への道のりは容易ではないとの認識を明かしている。

 ウクライナは旧ソ連領であり、旧ソ連の勢力圏であった旧東欧と同じ問題を内包している。プーチンはNATOに東欧への軍事基地を置かないことを要求している。アメリカが意図的に、欧州に軍事的緊張状態を作り上げようとしていることは明らかだ。その狙いがNATOの解体を避けるためであることは明らかだ。

 欧州連合がユーロ経済圏を旧ソ連圏に拡大するうえでNATOが障害になっているのである。トルコがNATOを裏切り、ロシア、ベラルーシに接近しているように、現在NATOは解体の危機にある。

 もしアメリカが欧州に新たな冷戦ラインを作り上げることが、NATOの存在価値を高め、中国とロシアの分断策になると考えているなら、それは間違いである。逆にウクライナと台湾への同時侵攻の可能性を高めることになるであろう。アメリカの狙いがユーロ経済圏の東方への拡大を阻止し、ドル支配を維持することであり、バイデン政権にはアジアにおける習近平ファシスト政権の拡張主義には何らの対抗戦略がないことは明らかだ。

 我々の目にはバイデン政権の方が全面戦争の脅威を高めているように見える。アメリカの覇権争いの相手は習近平ファシスト政権であり、バイデン政権は、まさにかってのチェンバレン英首相の「融和政策」の誤りを繰り返している。
#NATOは解体の危機
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