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アメリカはロシアのウクライナ侵攻を予想

 バイデン米大統領は19日、就任から1年の節目を前にホワイトハウスで記者会見を開き、緊迫するウクライナ情勢についてプーチン大統領の今後の判断について「彼は動くと予想する」と述べ、侵攻に出る可能性を指摘した。また侵攻すれば、「ロシアにとって大惨事となるだろう」とし、大規模制裁でロシア経済が打撃を受けることになると述べた。

 またブリンケン国務長官は19日、ウクライナを訪問してゼレンスキー大統領らと会談し、緊張が続くロシア軍への対応に一致して取り組むことを確認した。ブリンケン氏は「非常に短期間のうちに、ロシアがウクライナに攻撃的な行動をとることも可能になる」と強い警戒感を示した。

 つまりアメリカ政府は、ロシアのウクライナ侵攻を予測しながら、米軍は派遣せず経済制裁を行うと言っているのである。つまりアメリカはロシアにウクライナ侵攻をさせたいのである。そうなればEUの東へのユーロ圏拡大は阻止され、EUのロシア経済取り込みは破綻する。

 バイデン政権はアジア重視といいながら、実際には欧州重視であり、ユーロ圏拡大を阻止し、世界通貨としてのドルの地位を保ちたいのである。そのためにはウクライナ問題を利用して、EUとロシアの対立を決定的にしたいということだ。ウクライナへのロシアの侵攻で、EUはNATOへの依存を強めざるを得ない。

 中国はウクライナ問題が、台湾問題と重なるので、ロシアのウクライナ侵攻は台湾進攻の好機である。ロシアのウクライナ侵攻は欧州との関係を重視する中国政府には表向きには支持できない、しかし本音は大いに期待しているとみてよい。アメリカとの覇権争いを考慮すれば、ロシアと中国の同盟強化は習近平にとって「棚からぼた餅」なのである。

 プーチンは、ウクライナ侵攻の脅しでEUを揺さぶっている。ユーロ圏の東方への拡大の願望を、ウクライナ侵攻で破たんさせるぞとの脅しで、ロシアは欧州に妥協を迫っているのである。NATOはトルコの裏切りと、ロシアの揺さぶりで解体の危機に直面している。

 日本にすれば中国とロシアの同盟強化は、2正面戦略であり絶対に避けなければならない。ゆえにロシアを中国側に追いやるアメリカの戦略は、亡国につながるほどの安全保障上の危機なのである。

 世界の多極化は、複雑で不可思議な合従連衡の局面に入っているということであり、米中対立で、ロシアと日本の戦略的地位が高くなっているのである。ゆえに日本の政治家は対米自立を目指し、日本の安全保障を担保する独自の戦略を持つ心構えが最も重要となることを指摘しなければならない。
#ロシアのウクライナ侵攻
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