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韓国、中国のTPP加盟方針で焦り、TPP加盟へ

 韓国政府は13日、環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟申請に向けた手続きを開始すると表明した。当初、TPPに反対してきた中国が加盟方針に転換したことを受け、巨大経済圏から取り残されることへの焦りから加盟申請へと転じた。

 洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相兼企画財政相が13日の対外経済閣僚会議で「TPP加盟を本格的に推進するため、多様な利害関係者と社会的議論を土台に、関連手続きを開始する」と表明した。洪氏は「中国と台湾のTPPの加盟申請など、アジア太平洋地域の経済秩序の変化が活発に進み、これ以上、政府内での論議だけにとどまることはできない」と語った。

 韓国の産業界や農業団体には高水準の市場開放が求められることへの懸念が強い。ただ中国と台湾が9月に相次ぎ加盟を申請したことで、巨大経済圏から韓国だけが外れることへの警戒感が浮上し、焦りから加盟へ踏み出した。TPPに加盟すると工業品を中心に無税品目は拡大するので、産業界や農業団体からの反発が予想され、加盟国との交渉も難航が予想される。

 アメリカのバイデン政権が国内の自動車労組などの反対で、TPPに加盟に踏み出せず、したがって未だに対中国戦略を打ち出せない中で、9月に中国と台湾が加盟の意思を表明したことで、中国の顔色を見つつTPPに加盟に消極的だった韓国も取り残されまいとして加盟申請に転じたのである。

 もともとTPPは中国封じ込めの経済戦略から、アメリカ政府が推進したのであるが、そのアメリカが資本主義の不均等発展の中で、雇用を奪われるとの労組側の反対でTPPに加盟できず。逆に中国が権力的価値規定を武器に、TPPを経済覇権戦略に利用しようとしている。アジア諸国の目が経済的利益から中国の方ばかり見る事態が生まれている。

 バイデン政権が対中国戦略を未だ具体化できず。米民主党の支持基盤である全米自動車労組の反対でTPPを対中国戦略に利用できないばかりか、逆に中国政府に加盟申請されたことで、その対中国戦略をますます打ち出しにくい事態となった。韓国政府が今回TPPに加盟に踏み出したのは、中国政府の加盟申請を受けてのことで、韓国の中国への経済的依存の深まりからの加盟申請への動きとなった。

 アメリカ国内の分裂と対立による求心力の低下は、アジアで経済的影響力を強める中国の経済戦略に有効に対抗できない事態が生まれていることに注目しなければならない。バイデンは、日米同盟の強化を言いながら岸田首相の求める訪米=日米首脳会談にも応じることができない。戦略方針が打ち出せないのだから、日米首脳会談さえ行えないのであるから酷い話だ。その間隙をついて中国の経済戦略が得点を稼いでいる。

 バイデン政権はウクライナ問題を解決できず。NATO加盟のトルコのロシア接近も阻止できず、ロシアと中国の分断戦略も打ち出せない。せっかくアフガニスタンから撤退したのに、米戦略のアジアシフトも、肝心の対中国戦略を打ち出せないほどのお粗末ぶりなのである。これでは日米同盟も危ういというしかない。
#韓国のTPPに加盟
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