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流動化が避けられない世界情勢!


 アメリカ国内の分裂と対立は解消していない。バイデン政権が公約を進めつつあるバラマキ政策は、予算が議会を通らない。バイデン大統領の支持率は40%~30%後半でハリス副大統領に至っては支持率は20%台後半とどまっている。高齢のバイデン政権は一期で終わりそうである。バイデン政権は内政に手いっぱいで、中国との覇権争いの対中戦略も未だにはっきりと打ち出せない。次期大統領選をにらみ、共和党のトランプの大規模集会が毎月行われ、アメリカの覇権放棄、内政重視のトランプ政権が復活する可能性が高まっている。

 EUのブロック化でアメリカに対抗する経済力を目指した欧州統合は、「人・モノ・サービスの移動の自由」を看板に最初は順調だった。東欧からの安上がりの労働力は欧州の賃上げを抑制し、欧州企業は超過利潤にありついたが、中東やアフリカから豊かな生活を求める移民の大群が押し寄せたこと、さらには新型コロナの感染で、欧州連合の国家統合は挫折し、治安は悪化し、対立と分裂の危機にある。

 日本がアジア諸国に推し進めたインフラ投資の支援で、アジアだけが経済成長を続けているが、その余得にあずかるのは一人勝ちの中国経済である。欧米日の多国籍企業が中国を生産拠点にしたことで、中国経済は世界第2位の地位を手に入れ、習近平がのぼせ上がり世界覇権を目指しはじめ、米中の覇権をめぐる対立が激化し始めた。しかし米、欧州は国内の対立と分裂で外交に力が入らない。習近平ファシスト政権が急激な軍拡で世界の覇権をうかがうまでになり、世界情勢は第2次世界大戦後最大の流動的政治局面を迎えている。

 アメリカや欧州の国内的対立分裂は、冷戦崩壊後の「強欲の資本主義」がもたらしたものである。日本ほどではないにしても欧州やアメリカも「強欲の資本主義」によるデフレ傾向が出ているのは、安上がり労働力として移民労働力を利用した結果である。アメリカにおけるトランプ、欧州における右翼政党の台頭は、移民政策の破たんというべきものである。

 中国のファシスト政権が世界の覇権を握るのかというと、そうではない、中国の外への強権外交と内への独裁強化は、一党支配の脆弱性ゆえであり、中国もまた内に弱さを抱えた政権なのである。中国の「戦狼外交」と、発展途上国へのバラマキによる、債務の罠戦略は、覇権獲得には逆効果であるが、「超大国」を国民に印象付けることはできる。つまり中国の強国路線は国内支持のつなぎとめなのである。

 COP26で環境問題が前進するかに見えたが、コロナ禍からの経済復興が進み始めたとたんにエネルギー不足が表面化し、世界中で原油や石炭の争奪戦が始まった。中国では石炭の産地である山西省などが豪雨災害に見舞われて石炭不足から停電になり、中国政府は各地の産炭地に増産の大号令を出し、3か月で1年分を掘り出すほどの大増産となった。つまり世界は環境問題などそっちのけで化石燃料への依存と獲得競争を見せつけている。

 エネルギー不足であるのに産油国が増産を拒否し、原油価格が高騰している中で、アメリカが同盟国や中国に備蓄原油の放出を促したが、原油価格は高止まりで、このままではコロナ禍からの経済の復興も怪しくなりつつある。
 つまり世界情勢は移民問題・コロナ禍・「強欲の資本主義」の政策で、経済危機と内政面での対立と分裂を極限まで深めている。経済恐慌と戦争の危機が迫りつつあることを指摘しなければならない。世界が流動化し、指導者不在の国際情勢の危険が迫っているのである。

 デフレの克服が対立と分裂を克服するうえで必要なのだが、それを成し遂げた国が経済危機を克服して、世界で指導権を獲得することは疑いがない。デフレは「強欲の資本主義」の産物なので、賃上げと富の再分配で格差問題を解決できるかどうかが経済成長のカギとなる。アメリカと欧州、中国、ロシアの多極化の中で世界はかってなく混迷しているのである。
#混迷と流動化の世界
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コメント

たしかに

 流動化というか?不確定になっていますね。
  コロナも長引きそうですし、経済が大不況になりそうで心配しています。

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