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領土維持が困難になったロシア国境地帯!

 月刊誌「選択」11月号は「ロシア国境地帯の激しい人口減少」を報じている。この記事はロシアとの国境問題を抱える国には見逃しにできない情報である。

 記事はロシア全土で、国境地帯の人口減少や経済的衰退が進んでいる。その原因はコロナウイルス感染対策により国境を挟んだ貿易が難しくなり、国境地帯で貿易で潤っていた地域経済が大打撃を受けているという。

 例えば日本の北方領土と関係が深いロシアの極東は東アジアの発展から完全に取り残されており、極東管区の人口はソ連崩壊時は800万人を超えていたが、2010年で630万人で、今は400万人台という推計もあるという。

 ヨーロッパの西の端、プスコフ州はエストニア、ラトビア、ベラルーシと国境を接しているが、ここも辺境の越境ビジネスがコロナ感染症で国境が閉鎖され、交易が閉ざされて経済的に疲弊し、2010年の国勢調査で人口が約67万人だったのが、現在は20%も人口が減少している。

 ロシア南部(中央アジア)のカフカス地方ではチェチェン戦争など治安が悪化し、イスラム教の勢力拡大で、キリスト教のロシア人は、以前は人口の50%を占めていたが、現在のロシア人は0.9%に過ぎない。イングーシでもロシア人は約1%以下、ダゲスタンではロシア人は3%まで減少している。

 このようにロシアの辺境は欧米の経済制裁と、コロナ禍で国境交易が出来なくなり経済的に疲弊し、ロシア人が急減し、もはやロシアの辺境の領土支配は経済的に崩壊状態となっている。

 長年中国とロシアの国境紛争の係争地である、ウスリー川とアムール川の間にある大ウスリー島は、半分を中国側が支配しているが中国側は開発が進み、ロシア側は国境警備兵が撤退し、事実上中国の領土と化しているという。中国はかねてからシベリアを自分の領土と考えており、ロシアとの国境地帯に人を送り込み、シベリアにも中国人が浸透している。

 日本の北方領土のある千島列島ではロシアの公式統計では人口が約1万5000人1945年の終戦時と全く変わらない。つまりロシア政府は辺境地域を開発する力はなく、事実上ロシアの統治は崩壊状態だという。辺境地帯の越境交易が新型コロナ禍で国境が封鎖されたため、ロシアの領土維持が難しくなっている。

 日本政府はこうしたロシアの国境地帯の経済的疲弊に付け込む外交を行うべきであり、北方領土のロシア人を経済的に取り込む外交が必要となっている。
#北方領土
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