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地政学的危機を軽く見てはいけない!

半島とか海峡は歴史的に軍事・経済上の要衝となる事が多い、朝鮮半島が大陸国家の中国にとっては国防の最前線となるように、ホルムズ海峡は世界全体の石油の海上輸送量の3分の1が通過する経済的要衝である。半島や海峡は幅が狭いため防衛や攻撃の点で地政学に優劣が左右され、軍事力の大小にかかわらず地政学的思考が最重要となるのである。

ホルムズ海峡はもっとも狭い幅が33キロあり、大型タンカーの航路はさらに狭くなる。それゆえに射程の短いイランの対艦ミサイルであっても十分に海峡封鎖が可能となる。アメリカが2つの空母機動部隊を海峡周辺に派遣しても封鎖は阻止できないのである。アメリカとイスラエルが軍事的に行動したいのはイランの核関連施設の破壊である。しかしそれをやるとホルムズ海峡を封鎖される可能性がある。

アメリカのイラン攻撃で、「アラブの春」がアラブ各国の政権の民主化から、運動が反イスラエルへと流れることは中東を混乱に導き、イスラエルの存続さえ危うくするであろう。しかも海峡が封鎖されればアジアや欧州の経済的打撃は大きく、世界経済が危機に陥る可能性がある。こうした政治的・経済的リスクを覚悟の上で、イスラエルの安全のためにアメリカがイランの挑発を行っているのなら、それは事の軽重を取り違えていることである。

実際のアメリカの制裁への各国の態度は、中国とインドが制裁に不参加を決定し、ロシアがホルムズ海峡の封鎖に憂慮の念を表明している。欧州が国際原子力機関の調査を口実にあいまいにしようとしているのは、制裁の経済的打撃が大きく賛
否が割れいるからである。つまり制裁が形骸化し尻抜けとなる可能性もある。誰もがアメリカの指揮棒にしたがって経済危機を招くことを恐れているのだ。

オバマの誤りは自己の再選戦略として、ユダヤロビーの支持と政治資金を当てにしていることにある。これは人類の危機よりも個人の利益や名誉を優先する誤りである。
オバマはアメリカ海軍が最強と信じているのだが、地政学的諸条件は小国が大国を・弱軍が強軍を打破できる条件となる
のである。

いち早くアメリカのイラン制裁への参加を決めた日本だけが高い原油を買うことになり、貧乏くじを引くことになる可能性が出ている。アメリカ追随一辺倒外交の弊害と言うべきだ。日本は対米自立によって外国(アメリカ)のためではなく国益(民族の利益)を守るべきである。
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テーマ : 軍事・安全保障・国防・戦争 - ジャンル : 政治・経済

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