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米中対立の背後に両国の内部矛盾の激化!

 米中の覇権をめぐる争いの背後に両国の内部対立の激化が隠れている。一方の中国では国内各地でメディアで報じられない抗議行動が数多く起きている。またある有名大学で腐敗した党幹部を殺した職員が英雄扱いされたり、共産党の一党支配の腐敗が各地で中国人民の批判を浴びている。

 こうした抗議行動は各省の党幹部の指示で権力的に叩き潰されているだけではなく、習近平ファシスト政権は独裁支配を強化するため2つの事を押し進めている。一つはデジタル化による人民支配機構の確立であり、二つは反動的民族主義を煽り、南シナ海の海洋強国のための軍事拠点化と台湾進攻の準備である。

 他方のアメリカでは、ハイテク産業が多いカルホニア州などでは民主党が強く、錆びたベルト地帯や農業州では共和党が強い。大統領選で負けた共和党が、自分たちが知事を握っている州で現在選挙制度の「改正」を進め、黒人や中南米系の人たちが投票しにくい制度にしている。また民主党政権は、トランプ政権時代の大統領権限の行き過ぎた行使について調査を進めている。トランプ大統領が「米軍を私兵のように考えたり、軍契約を宝の山と見たりしていたので、追求するべき問題が多くある、といわれている。

 実際に制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長が、大統領令による中国への核攻撃やクーデターを心配し、中国軍の中央軍事委員会連合参謀部の李作成参謀長に電話までかけていたという。大統領選の不利を挽回するため、トランプが戦争状態を作り出そうとした形跡があるといわれる。

 つまりアメリカも中国も国内の階級矛盾の対立と激化の中で、国際的に敵を必要としており、ゆえに米中の覇権争いが激化しているということだ。もちろん米中は経済的に相互依存関係にあり、アメリカは中国の日常雑貨商品を必要とし、中国はアメリカの農産物を必要としている。また中国の「製造2025計画」は世界の「製造強国」になるために次世代情報技術、デジタル工作機械、ロボット、ハイテク船舶、省エネ・新エネ自動車、素材、バイオなどの分野で世界のトップに立つことを目指しており、世界中から科学者を集めている。アメリカは先端産業分野でのこの動きに危機感を強めている。

 アメリカも中国も内部矛盾の解決は容易でなく、双方とも内部矛盾を内包しながら、先端産業と軍事力の面での覇権争いを強めていくことになる。アメリカは同盟国を重視し、これに対抗するために、中国はロシアやイランなどとの上海協力機構での連携を強めている。

 アメリカが香港での民主化運動弾圧や新疆ウイグルにおける同化政策を批判しているのは、中国の弱点が民主化と民族問題にあることを見抜いているのである。中国は独裁権力で低賃金にできるので、貿易競争では優位にあり、7年後にはアメリカを経済面で追い越すことを目指している。

 ゆえに米中の新しい冷戦は、相互依存しながら対立を深めていくが、国内矛盾が激化したとき、軍事行動に出る可能性が強い。とりわけ中国の習近平政権は内的脆弱性から、台湾への攻撃に踏み切る可能性は極めて高いことを見ておくべきである。
#米中対立
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コメント

なるほど!

 内政の矛盾から戦争が起きるのですね。
  トランプが戦争を起こそうとしていたのは知りませんでした。

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