fc2ブログ

対中融和政策に転じたバイデンの驚くべき裏切り!

 9月21日の国連第76回総会の一般討論演説に先立ち9月10日米中首脳は、電話会談を行い、席上バイデンは「米中間の競争を責任ある形で管理しよう、と呼びかけた」という。これに習近平が「中米が協力すれば、両国と世界に利益がもたらされる」と応じたという。こうしてバイデンの中国敵視路線は、早々と「協調路線」へと変わることになった

 大統領選でトランプ候補に負けじと「中国主敵」論を展開したバイデン大統領が、ここにきて変節したのには理由がある。アメリカは今年の夏はハリケーン「アイダ」の大きな被害や、カリフォルニア州などで広がる森林火災や熱波など国民の関心は天災と環境問題であふれた。しかもバイデンはアフガニスタン撤兵で失敗した、バイデン大統領にとって来年の中間選挙を前にして「気候変動問題」での外交的成果がどうしても必要だった。

 ところが中国側はアメリカ側の気候変動問題担当のジョン・ケリー大統領特使が天津まで出かけたのに王毅外相に対面会談を拒否され、テレビ会談では「地球環境問題だけを米中外交全般と切り離すつもりはない」と拒絶され、結果は先に書いた通り中国敵視路線の放棄となったのである。

 このアメリカ外交の変節のもう一つの理由はウイグルでの人権問題でASEAN諸国の協力を得ようとブリケン国務長官とオーステン国防長官がASEAN諸国を訪問したが、同諸国ではほとんどの国で強権政治・人権問題、とりわけ女性の権利で問題を抱えていて協力を得られなかったことも、バイデン政権の中国敵視路線の放棄につながったといわれている。

 バイデン政権の中国敵視路線に呼応した日本やオーストラリアなどの同盟国の外交は、アメリカの裏切りで大きな痛手を受けることになる。アフガニスタン政府のようにアメリカに、いつ見捨てられるかわからない。アメリカ政府は信用できない国になったといわねばならない。

アメリカ共和党はバイデン政権の新姿勢を、第2次世界大戦前のイギリスのチェンバレン首相のヒトラーをなだめようとした「融和政策」と同じとの非難が出ている。中国政府の強硬姿勢の前に、いとも簡単に外交上の戦略を投げ捨てるバイデン政権は完全に同盟国の信頼を失ったといえる。同盟国を動員した中国敵視の軍事的包囲網形成はどうなるのか?

 もはやアメリカは国内政策の前には戦略の放棄をいとも簡単に行う信用できない国となった。外交的信義の無い国に自国の安全保障をゆだねるわけにはいかない。日本は対米自立しなければ自国の安全保障を万全にはできない時代となったというべきだ。日本は戦略兵器を持つ普通の国にならねばならない。日本の周辺国は核保有国ばかりなのである。対米自立が日本の戦略課題となったといえる。
#中国敵視路線の変更
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

SEO対策:政治