二つの陣営に分化し始めた世界の覇権争い
上海協力機構(SCO)は中ロ、中央アジア各国、インド、パキスタンの8カ国で構成され、ており、17日まで2日間開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議では、2005年からオブザーバーだったイランの正式加盟に向けた手続きの開始が決まった。イランはSCOを主導する中国、ロシアへの接近を鮮明にし、欧米に対抗する足場を強める思惑がある。
国営新華社通信によると、中国の習近平(シーチンピン)国家主席は17日、オンラインでSCOなどの会議に参加し、アフガン情勢を巡り主導的な役割を果たしていくよう各国首脳らに呼びかけた。
他方、アメリカのバイデン米大統領は15日、米ホワイトハウスで記者発表し、インド太平洋地域における米英豪3カ国の新たな安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設することを明らかにした。発表の場にジョンソン英首相、モリソン豪首相もオンラインで参加。中国への対抗を念頭に、米英は豪州の原子力潜水艦能力の保有を支援する。
「AUKUS(オーカス)」は、米英豪の国名を組み合わせたもの。バイデン大統領は記者発表で、米英豪が第1次世界大戦以来、ともに戦ってきた最も古い同盟国だと強調し、「21世紀における脅威に立ち向かう能力を最新のものへと高めていく」と強調。サイバー、人工知能(AI)、量子テクノロジーなどの最先端技術、産業基盤やサプライチェーン(供給網)などの分野でも連携を強化する。
「AUKUS」は、日米豪印(クアッド)など他の枠組みと比べてより軍事的な性格が強いことが大きな特徴だ。最初の取り組みとして、米英が原潜技術を供与する。原潜技術は最高機密であり、ステルス性に優れ、長距離潜航が可能で南シナ海の出撃基地化を進める中国の海洋覇権を阻止する狙いがある。
先に中国は、アメリカが加盟を取りやめたTPPに加盟の意思を表明したが、これはTPPが中国包囲網の経済市場となることを警戒したものであり実現性は少ない。
中国と対立する台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権は17日、中国によるTPPへの加入申請を受け、外交部の欧江安・報道官名で談話を発表し、「国際社会は中国の体制がTPPの求める高い開放レベルを達成できるかに疑問を抱いている」と指摘。「台湾は中国の動向にも注意しつつ、TPP加入に向け、メンバー国の支持取り付けに努力する」と発表した。
このように経済、軍事同盟をめぐり米中が互いに陣営を組織し始めたことは、米中の対立が、当初は同一市場での「競争」との位置づけであったが、これが2つの陣営への分化の兆しが出始めたことは多極化の中での世界情勢の重要な変化といえる。
中国陣営の「上海協力機構」と、アメリカ陣営の「AUKUS(オーカス)」が、冷戦時のNATOとワルシャワ条約機構という2つの陣営へと発展するのか、戦略的注目点である。
#「上海協力機構」 #「AUKUS(オーカス)」
国営新華社通信によると、中国の習近平(シーチンピン)国家主席は17日、オンラインでSCOなどの会議に参加し、アフガン情勢を巡り主導的な役割を果たしていくよう各国首脳らに呼びかけた。
他方、アメリカのバイデン米大統領は15日、米ホワイトハウスで記者発表し、インド太平洋地域における米英豪3カ国の新たな安全保障協力の枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設することを明らかにした。発表の場にジョンソン英首相、モリソン豪首相もオンラインで参加。中国への対抗を念頭に、米英は豪州の原子力潜水艦能力の保有を支援する。
「AUKUS(オーカス)」は、米英豪の国名を組み合わせたもの。バイデン大統領は記者発表で、米英豪が第1次世界大戦以来、ともに戦ってきた最も古い同盟国だと強調し、「21世紀における脅威に立ち向かう能力を最新のものへと高めていく」と強調。サイバー、人工知能(AI)、量子テクノロジーなどの最先端技術、産業基盤やサプライチェーン(供給網)などの分野でも連携を強化する。
「AUKUS」は、日米豪印(クアッド)など他の枠組みと比べてより軍事的な性格が強いことが大きな特徴だ。最初の取り組みとして、米英が原潜技術を供与する。原潜技術は最高機密であり、ステルス性に優れ、長距離潜航が可能で南シナ海の出撃基地化を進める中国の海洋覇権を阻止する狙いがある。
先に中国は、アメリカが加盟を取りやめたTPPに加盟の意思を表明したが、これはTPPが中国包囲網の経済市場となることを警戒したものであり実現性は少ない。
中国と対立する台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権は17日、中国によるTPPへの加入申請を受け、外交部の欧江安・報道官名で談話を発表し、「国際社会は中国の体制がTPPの求める高い開放レベルを達成できるかに疑問を抱いている」と指摘。「台湾は中国の動向にも注意しつつ、TPP加入に向け、メンバー国の支持取り付けに努力する」と発表した。
このように経済、軍事同盟をめぐり米中が互いに陣営を組織し始めたことは、米中の対立が、当初は同一市場での「競争」との位置づけであったが、これが2つの陣営への分化の兆しが出始めたことは多極化の中での世界情勢の重要な変化といえる。
中国陣営の「上海協力機構」と、アメリカ陣営の「AUKUS(オーカス)」が、冷戦時のNATOとワルシャワ条約機構という2つの陣営へと発展するのか、戦略的注目点である。
#「上海協力機構」 #「AUKUS(オーカス)」
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冷戦になるのか?
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分かります。日本は中国に経済的に深入りしています。安全保障はアメリカ、経済は中国と一番関係が深いので、自民党はどうするのでしょうね?このままだと股裂き状態ですね。