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アフガン崩壊はアメリカの占領統治の失敗!

アメリカの占領統治が成功したのは日本だけだ。日本統治の場合は経済学者や社会学者を動員して、日本軍国主義の社会・経済基盤を解体する科学的なやり方がとられた。GHQは地主階級をなくすために土地改革、財閥解体、労働改革などの社会改革を行い、日本経済が急速に発展・復興する改革を行った。

アフガンの場合は、反テロ戦争で20年間も米軍が闘っても統治できなかったのは、アフガン社会の特殊性を分析しなかったからである。アフガンは原始時代の氏族社会(=部族社会)であり、原始時代の古典的宗教=イスラム原理主義を基盤した、部族連合的国家であり、国家意識すら存在しなかった。

イスラム原理主義は砂漠地帯で生産力が低い地域の奴隷制時代の原始的宗教であり、アメリカがこの国を近代化するには、宗教改革(民主化と政教分離)と農業生産力を上げる政策と、手工業を発展させることが不可欠であった。つまりアメリカはアフガン社会の特殊性をこそ分析すべきであった。

しかしアメリカ軍は空爆で部族社会を破壊し、敵を生み出しただけであった。アフガンの勝利はアメリカの失敗ゆえであり、タリバンの統治がよかったわけではない。アフガンの民衆、特に女性は平等と自由を求めている。

ソ連の北朝鮮の社会改革が失敗したのは、コミンテルンが500年続いた李王朝=奴隷制社会と儒教思想を理解せず、社会改革を目指したが、金日成の反対で無責任に放棄した結果、現在の奴隷制の大王が支配する国家=北朝鮮が出来上がってしまった。高度に武装した奴隷制国家(=テロ国家)が地球上に北朝鮮とアフガンの2つが生まれたことになる。

国際戦争の形で(=社会革命ではなく)占領の形で社会改革が成功した例は日本だけだが、これは日本では絶対主義的天皇制の下であれ、100%近い教育が行われ、文盲がほとんどいなかったのに対し、アフガンは満足な教育さえ行われていなかったこと、とアメリカが統治するうえで、アフガンの部族社会の特殊性を分析しなかった結果である。ゆえに勝利したタリバンが明日のアフガンの希望となるわけではない。これは北朝鮮の民衆にも言えることだ。

軍事的に見ても撤兵は技術的に難しいことは歴史が教えている。ところがバイデン大統領は統治上の軍事的・政治的配慮なしにアフガンからの撤兵を唐突に発表した。無責任で愚かというしかない。

撤兵後のアフガンが、どの覇権国に掌握されるかの認識もなく、米軍の撤兵を発表したバイデン大統領への批判が高まるのは当然で、アメリカは政治指導者の人材の枯渇をこそ早急に克服しなければ覇権の喪失は不可避である。

今後アフガン政権と友好的に話し合えるのは、中国とロシアとイランだけとなった。日本政府はイランの協力を得て、在アフガン日本人救出とアフガンの今後の民主化を急ぎ働きかけるべきであろう。
#米のアフガン撤兵
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