第三次世界大戦の可能性は高まっている!(2)
経済的側面から見るとアメリカのドル支配は崩壊しつつある。アメリカは貿易黒字国の日本やドイツに、財務省証券(=米国債)を売りつけることでドルを還流させ、貿易黒字国を搾取してきた。(アメリカのドルは次々印刷されるのでドル価値は傾向的に下落する。つまりアメリカは利子を払うだけで、元本は減価していくので、返す必要はない。ゆえに搾取である)
世界はいまやドル圏、ユーロ圏、元圏にブロック化が進み、アメリカのドル支配は崩壊しつつある。国際通貨の巨額のドル発行益がアメリカの巨大な軍事力を支えてきたのであるが、それが崩れつつある。中国が経済の一人勝ちの中で金を大量に買い集めているのは、ドルに代わる将来の通貨覇権を展望しているのである。
中国の「一帯一路」戦略は、アジア・アフリカの資源獲得とその輸送路の確保に力を入れており、これはアメリカとの覇権をかけた戦争を念頭に入れている。東シナ海と南シナ海の内海化や、ロシアからのパイプラインや、カシミールからパキスタンのインド洋の港湾までのパイプライン敷設計画、ミヤンマーからのパイプライン敷設などは、アメリカの港湾封鎖を念頭に入れたものである。つまり中国の経済戦略は戦争準備と一体いえるものである。
経済的に見ると、アメリカの原油自給体制は、中東からの米軍の撤退を促し、その空白にロシアや中国が浸透している。ロシアはシリアに軍事拠点を確保し、中国はイランに軍事拠点を確保した。アメリカの衰退は多極化を一層促している。
習近平がアメリカに米中による太平洋の管轄海域の分割を提案したのは決して「ジョーク」ではなく、中国が覇権獲得の段階性を踏まえ、その中間移行期間として世界支配の米中による分有を考えていることを示しているのである。
つまり第二次世界大戦前のドイツ・イタリア・日本の3国同盟と比べ、中国の覇権獲得準備は、あらゆる側面で抜かりがなく布石を打っていることが分かる。習近平が今回党内に「世界に愛される中国」に向け宣伝に力を入れることを打ち出したのは、こうした世界覇権という野心を隠蔽するためであり、覇権追及を放棄するものではないことを見ておかねばならない。
中国の「中国製造2025」計画は、世界中から科学者・技術者を集める計画である。科学技術が経済と軍事のカナメであり、昨年一年間で約7万人の科学者がロシアから中国圏に引き抜かれていることも、習近平の世界覇権獲得の野心の表れと見るべきである。
こうした現象を覇権獲得の布石としてみると習近平ファシスト政権の危険性が理解できるであろう。厄介なのは米ソの冷戦と違うのは、中国が巨大な市場を武器に世界市場内での相互依存関係にあることだ。つまり中国経済に打撃を与える政策は、アメリカや欧州、日本も打撃を受けることになる。ここに、バイデン政権の「中国との競争」路線の限界がある。
つまりアメリカがトランプの中国隔離戦略からバイデンの競争路線に代わったことで中国は、アメリカに対抗する軍拡の時間的猶予を得たということだ。ここで重大なことは、世界経済第3位の日本が米中のどちらにつくか、という問題である。
アメリカは与野党の合議で日本を引き付け、離さないことを戦略決定している。中国はこれまでの「日本はアメリカの従属国にしておいた方が安全だ」という路線から、日本をアメリカから自立させる方向へ、つまり中立の立場に立たせる方向に転換した。しかしこの決定はあまりにも遅かった。中国の独裁支配や香港の民主化弾圧で日本人の中国嫌いは増大している。対日本戦略転換の遅れは習近平の手抜かりといえる。
日本はアメリカの核の傘の下で、世界市場における経済的勝ち組であり、アメリカの覇権に戦略的利益がある。中国に2万数千の企業が進出しているが、国防でアメリカに依存している以上選択の余地はなく、日米同盟強化の道を進む。重要なことは米中対立の中で、日本の戦略的地位が極めて大きく、重くなっていることである。
日本が思い切った軍事力増強で中国の軍事的冒険を押しとどめることができるかに、今後の第3次世界大戦を阻止できる可能性が潜んでいる。なぜなら中国はグアムキラーと呼ばれる中距離高速ミサイルを保有して、アメリカの空母機動部隊を恐れなくなっており、米軍よりも、中国が恐れているのは日本軍だということである。
この点で問題なのは、アメリカが日本に戦略兵器。攻撃兵器の保有を認めるかどうかである。日本を従属状態に置いたままでは、中国の戦略に加担することになる。さりとて自立を認めれば、日本のアメリカ離れの可能性も生まれる。この点が米中の共通する悩みなのである。
日本をアメリカの従属国に置いておくことが双方の利益だ、というのがこれまでの米中の共通認識であったのが、米中の覇権争いの中で、日本の戦略的地位が高まり、従属を維持することが困難になりつつあるのは歴史の皮肉というべきである。
#第3次世界大戦 #日本の戦略的地位
世界はいまやドル圏、ユーロ圏、元圏にブロック化が進み、アメリカのドル支配は崩壊しつつある。国際通貨の巨額のドル発行益がアメリカの巨大な軍事力を支えてきたのであるが、それが崩れつつある。中国が経済の一人勝ちの中で金を大量に買い集めているのは、ドルに代わる将来の通貨覇権を展望しているのである。
中国の「一帯一路」戦略は、アジア・アフリカの資源獲得とその輸送路の確保に力を入れており、これはアメリカとの覇権をかけた戦争を念頭に入れている。東シナ海と南シナ海の内海化や、ロシアからのパイプラインや、カシミールからパキスタンのインド洋の港湾までのパイプライン敷設計画、ミヤンマーからのパイプライン敷設などは、アメリカの港湾封鎖を念頭に入れたものである。つまり中国の経済戦略は戦争準備と一体いえるものである。
経済的に見ると、アメリカの原油自給体制は、中東からの米軍の撤退を促し、その空白にロシアや中国が浸透している。ロシアはシリアに軍事拠点を確保し、中国はイランに軍事拠点を確保した。アメリカの衰退は多極化を一層促している。
習近平がアメリカに米中による太平洋の管轄海域の分割を提案したのは決して「ジョーク」ではなく、中国が覇権獲得の段階性を踏まえ、その中間移行期間として世界支配の米中による分有を考えていることを示しているのである。
つまり第二次世界大戦前のドイツ・イタリア・日本の3国同盟と比べ、中国の覇権獲得準備は、あらゆる側面で抜かりがなく布石を打っていることが分かる。習近平が今回党内に「世界に愛される中国」に向け宣伝に力を入れることを打ち出したのは、こうした世界覇権という野心を隠蔽するためであり、覇権追及を放棄するものではないことを見ておかねばならない。
中国の「中国製造2025」計画は、世界中から科学者・技術者を集める計画である。科学技術が経済と軍事のカナメであり、昨年一年間で約7万人の科学者がロシアから中国圏に引き抜かれていることも、習近平の世界覇権獲得の野心の表れと見るべきである。
こうした現象を覇権獲得の布石としてみると習近平ファシスト政権の危険性が理解できるであろう。厄介なのは米ソの冷戦と違うのは、中国が巨大な市場を武器に世界市場内での相互依存関係にあることだ。つまり中国経済に打撃を与える政策は、アメリカや欧州、日本も打撃を受けることになる。ここに、バイデン政権の「中国との競争」路線の限界がある。
つまりアメリカがトランプの中国隔離戦略からバイデンの競争路線に代わったことで中国は、アメリカに対抗する軍拡の時間的猶予を得たということだ。ここで重大なことは、世界経済第3位の日本が米中のどちらにつくか、という問題である。
アメリカは与野党の合議で日本を引き付け、離さないことを戦略決定している。中国はこれまでの「日本はアメリカの従属国にしておいた方が安全だ」という路線から、日本をアメリカから自立させる方向へ、つまり中立の立場に立たせる方向に転換した。しかしこの決定はあまりにも遅かった。中国の独裁支配や香港の民主化弾圧で日本人の中国嫌いは増大している。対日本戦略転換の遅れは習近平の手抜かりといえる。
日本はアメリカの核の傘の下で、世界市場における経済的勝ち組であり、アメリカの覇権に戦略的利益がある。中国に2万数千の企業が進出しているが、国防でアメリカに依存している以上選択の余地はなく、日米同盟強化の道を進む。重要なことは米中対立の中で、日本の戦略的地位が極めて大きく、重くなっていることである。
日本が思い切った軍事力増強で中国の軍事的冒険を押しとどめることができるかに、今後の第3次世界大戦を阻止できる可能性が潜んでいる。なぜなら中国はグアムキラーと呼ばれる中距離高速ミサイルを保有して、アメリカの空母機動部隊を恐れなくなっており、米軍よりも、中国が恐れているのは日本軍だということである。
この点で問題なのは、アメリカが日本に戦略兵器。攻撃兵器の保有を認めるかどうかである。日本を従属状態に置いたままでは、中国の戦略に加担することになる。さりとて自立を認めれば、日本のアメリカ離れの可能性も生まれる。この点が米中の共通する悩みなのである。
日本をアメリカの従属国に置いておくことが双方の利益だ、というのがこれまでの米中の共通認識であったのが、米中の覇権争いの中で、日本の戦略的地位が高まり、従属を維持することが困難になりつつあるのは歴史の皮肉というべきである。
#第3次世界大戦 #日本の戦略的地位
スポンサーサイト

<<リンゴ日報弾圧でファシスト政権の本質露呈! | ホーム | 第三次世界大戦の可能性は高まっている!>>
コメント
経済から見ても多極化している
なるほど中国が周到に覇権獲得に動き、アメリカが劣勢なのか。それで日本の戦略的地位があがったのか、なるほど。
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |