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ロシアの基本戦略は旧ソ連の勢力圏維持!

ロシアはEU、アメリカ、中国の勢力圏にあって、旧ソ連の強力な軍事力を背景に地域覇権国として多極化の一角を占める力がある。東欧諸国をEU経済圏に奪われつつあるがプーチンは旧ソ連圏の勢力圏維持で、その高い支持率を維持している。

アメリカは一極支配を維持しようとし、EUは東への拡大を進め、中国は「一帯一路」戦略でユーラシア大経済圏を画策して、アメリカの覇権に挑戦している。

アメリカは、ロシアの「柔らかい下腹」=ウクライナのクーデターで、ウクライナのNATO勢力圏への取り込みを画策することで、ロシアの民族主義を覚醒し、クリミア併合を招き、対ロシア経済制裁で、EUのロシア経済取り込みを粉砕した。

プーチンはクリミア併合で80%の高い支持率を実現し、旧ソ連圏の回復戦略で国民の自信と誇りを取り戻した。しかしそれは欧米の対ロシア制裁で経済的困難を招いた。

EUは、対ロシア経済制裁をやめたがっており、ドイツは海底パイプライン敷設でロシアから天然ガスを買い、その代金でロシアに機械を販売しようともくろんでいる。つまりドイツとフランスは対ロシア経済制裁をやめたがっている。

ロシアと中国は資源の豊富な中央アジアの取り込みをめぐり対立もし、同時に反米で協力する関係にある。プーチンは中国への接近を見せつけることで、欧州との関係を回復しようとしている。プーチンが4月にウクライナ国境に15万人の軍隊を終結させ、黒海にカスピ海艦隊を転進させて、黒海を封鎖したのは、東欧諸国を揺さぶり、ロシアの力を見せつけたのである。

アメリカは、プーチンの黒海封鎖に何もできなかった。こうして現在の世界は、アメリカ、欧州(EU)、ロシア、中国の多極化が実現しつつある。アメリカが覇権を維持するには世界経済第3位の日本を取り込むしかない。つまり日本の戦略的価値が高まっていることを、日本の政治家は認識して置かねばならない。

プーチンは、日本の北方4島を返還するかのように装い、今返せばアメリカが軍事基地を建設するとして、返還をしない態度を見せたのは、日本の対米自立を促しているのである。中国が、これまで「日本はアメリカの属国にしておいた方が安全」としてきたのが、最近になって「日本はアメリカの従属国」と批判し始めたのは、日本の自立の方がアメリカの戦略を弱体化できるからと判断したゆえである。つまりロシアと中国は日本の自立に戦略的利益を見出している。

アメリカが、ロシアと中国への関与政策で、自由と民主主義の経済にできると読み間違えたために、世界経済の不均等な発展もあって、世界は多極化の時代を迎えることとなった。この4つの勢力はいずれも大きな軍事力を持っており、世界は複雑な合従連衡の時代へと入りつつある。この4つの勢力の内、中国の、習近平フアシスト政権が個人独裁でもあり、最も危険な拡張主義侵略勢力であることを指摘しなければならない。

欧州が東アジアへ艦隊を派遣するのは、米中間の矛盾を激化させることが、欧州の東への拡大に有利と判断したからである。

こうして、欧州の東への拡大に反対し、中国とロシアの間を分断し、日本を同盟国として取り込むのが覇権を維持しようとするアメリカの戦略となった。今後この4つの大国の複雑な外交戦が始まるであろう。
#ロシアの戦略 #多極化の時代
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コメント

勉強になります。

 中国とロシアは一体と思っていました。

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