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解体の危機にあるNATOは再生できるか?!

旧ソ連が解体し、NATOは東欧に拡大したが、同時に敵がなくなったNATOは内部矛盾を拡大した。アメリカが同盟国に防衛の負担を求め、NATO離脱を口にし、フランス大統領が「NATOは脳死状態だ」と口にするまでになった。

NATOの中核を担う米・仏・英・独の間でさえ認識の共有を図れなくなっているといわれている。ドイツはロシアから海底パイプラインを引いて天然ガスを購入し、その売却代金でロシアへの機械の輸出を企んでいる。しかもロシアのクリミア半島併合で東欧諸国が動揺し、中国が北欧とバルカン半島への浸透を強めている。

NATO加盟国のトルコは、アメリカ第一主義にならい、地中海の天然ガス田の占拠を狙いギリシャと対立し、地域覇権主義を強め、シリアに進出し、アゼルバイジャンに派兵し、影響力を拡大し、ロシアから対空ミサイルシステムS400を導入し、アメリカの怒りを買い、経済制裁を受ける身となった。

アメリカはF35を共同開発してきたトルコに、F35ステルス戦闘機100機の売却を中止し、ポンペイオ米国務長官は「ロシアとの防衛・情報分野の重大な取引は容認しない」と語り、経済制裁を発表した。トルコはNATO加盟国であるが、いまや敵国扱いだ。

ロシアのクリミア半島併合に経済制裁しか手を打てなかったことは、結果としてロシアを世界覇権を狙う中国の側に追いやり、トルコとイラン、ロシア、中国の巨大な連合が出来つつある。

アメリカのバイデン新政権が「NATOは脳死状態だ」といわれるNATO同盟国との関係を改善するのは簡単ではない。アメリカが、ロシア・中国陣営に対するどのような世界戦略を提起するのか注目される点である。

トランプ政権が行った「アメリカ第一主義」で、世界に戦略的空白が生まれた。トルコはオスマントルコ帝国の復活を夢見て地域覇権主義に走り、ロシアは旧ソ連時代の勢力圏再興を夢見ている。中国覇権主義の野心はもっと大きく世界支配を夢見ている。流動化した世界情勢はコロナパンデミックと経済危機の混乱の中で、1930年代と似た混乱期を迎えつつある。

アメリカが中国とロシアの間にどのようなくさびを打ち込むのか?中東と欧州でアメリカが戦略的主導権を回復できるのか、注目される点である。またこれと関係して中国よりも対ロシア戦略を重視するバイデン政権が、どのようなアジア戦略を提起するのかも重要な注目点である。
#NATOの再生
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