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米社会の対立の深刻さ映す大統領選討論!

アメリカの次期大統領を決める候補者のテレビ討論は,トランプとバイデンが互いに個人攻撃で、罵り合う混乱の討論会となった。

東京新聞は「米国の明日が見えぬ」と評し、読売新聞は「低次元論戦が示す政治の劣化」と評した。朝日新聞は「敗北者は米国民」と表現し、産経新聞は「中国こそ論じるべきだ」と評した。

アメリカの大統領選に示されている対立は「錆びたベルト地帯」の滅びつつある産業資本家と労働者、と「マンハッタン」のアメリカ金融資本との対立だ。もとより意見がかみ合う様な論争になるわけがない。

トランプは、産業資本家の視点で、アメリカの貿易赤字は「黒字国の略奪」ととらえている。ところがアメリカの貿易赤字は、貿易黒字国を収奪する金融的仕組みなのである。
すなわち、印刷したドル(=紙切れ)でアメリカは商品を買い、流失したドルと米国債(=これも紙切れ)と交換する。するとアメリカはドル安になる分だけ国債の元本は消えていく。つまり貿易赤字はアメリカが対価なしに貿易黒字国を搾取する金融的仕組みなのである。

トランプの「アメリカ第一主義」は「同盟国を守りたくない」として世界中に展開したアメリカ軍を引き上げる政策だ。アメリカの軍事的支配が崩壊すれば、ドル支配も終わる。これは中国など覇権主義の国には願ってもないことだ。中国政策を論じればトランプの強硬策がアメリカ国民には受ける。だからバイデンはこれを避けた。

民主党のバイデンは金融資本の代理人であり、トランプは「錆びたベルト地帯」の政治的代理人だ。初めから討論がかみ合うはずはなく、当然罵り合いになる。トランプが勝てばアメリカ金融資本と産軍複合体は戦略がボロボロになる。しかしアメリカ国民はトランプの「アメリカ第一主義」の平和路線を支持する強固な層が存在している。

しかし、トランプが大統領選に勝利しても、アメリカが産業資本の国に復古するわけではない。「錆びたベルト地帯」の産業が復活するのではない、しかしアメリカ国民が金融資本と産軍複合体の戦争路線にうんざりしていることも事実なのである。

このアメリカ国内の分裂と対立は、冷戦後の強欲の資本主義が、労働者階級への分配率の減少を招き、金持ちはより豊かになった。この豊かさと貧困の分裂は、今や反転の時を迎えたということである。アメリカの支配層がこの分裂を回避するには金持ちに大増税し、富の再配分が必要なのであるが、トランプからもバイデンからもそのような政策は出ていないのであるから酷いものだ。

トランプが再選に勝利すれば、それは政治的反動復古であり、アメリカは覇権を失い、ドル支配は揺らぎ、巨大な軍事力を維持できなくなる可能性がある。世界の多極化は急速に進み、経済のブロック化と戦争の道に世界が突き進む可能性は高い。
バイデンが勝てば、グローバル経済を維持し、同盟国を重視し、覇権を維持しようとするであろうが、資本主義の不均等発展によってアメリカ経済の衰退は避けられない。つまり両者ともアメリカ国民の期待には応えられないのである。
#米大統領選 #「錆びたベルト地帯」と「マンハッタン」の対立
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