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秋の米大統領選が世界の曲がり角になる

「アメリカ第一主義」のトランプの政策は、反グローバルリズムともいうべき路線であり、世界経済はこれによって大きな打撃を受けた。これに輪をかけたのが新型コロナウイルス感染症であり、世界経済はまるで鎖国状態に逆戻りした。

当初トランプ恐慌が心配されたが、今ではコロナ恐慌が必至の事態となった。この経済的危機を軽減するにはトランプの2期目は阻止しなければならない。2期目阻止が、米共和党と民主党の共通する課題となったように見える。

トランプには世界戦略がなく、あるのは自分の大統領の地位を維持するのみの再選戦略のみである。したがって中国とロシアとイランはトランプの2期目に利益を感じており、アメリカの戦略的後退の空白地帯に、自己の覇権を拡大するうま味を見出している。

支持率が10数%開いているので、バイデンが次期大統領の椅子に座る可能性は高く、その場合の戦略が国際経済の打撃を軽減するため自由貿易の維持であり、中国とロシアとイランの外交的分断策であり、中国の覇権主義を阻止する戦略を維持しつつ相互依存関係の中で、アメリカの覇権を維持することである。したがって次期アメリカの政権が、日米同盟関係を柱としながら対中国との覇権争奪を行うことになるのは間違いないであろう。

この場合のアメリカの戦略が、日本に軍事的役割までも求めるのか?それとも今までのような従属的協力関係か?で日本の戦略的役割も変わってくるであろう。日本政府にとっての困難は、自国の防衛がアメリカに依存し、経済的には中国への依存を深め過ぎている点である。したがって米中対立は日本のまたざき状態を意味している。

アメリカのバイデン政権が、グローバル経済の再建を優先するのか?それとも中国との覇権争いを優先するのか、も今後の世界情勢に大きな違いがある。とりわけ重要なことは旧社会主義国は自由で民主的な資本主義にはなりえないことを世界が理解することである。ロシアは一党支配を解体したが、今も旧官僚の支配する独裁的国家資本主義国である。中国も官僚支配の独裁から抜け出すことは期待できない。

中国政府が、香港の民主化運動を怖れるのは、形式上の社会主義、実際の資本主義国家特有の、官僚独裁が崩壊するもろさを自覚しているゆえである。つまりアメリカの次期政権が中国の一党支配の解体を目指すのか?目指さないのか?という点も重要な注目点なのである。

アメリカの大統領選は、実績から見ると現職優位なので、今後の情勢の変化次第ではトランプの勝利の目がないわけではない。しかし今のところコロナのアメリカ国内の感染の広がりから、マスク装着を軽視する、トランプの失点は明らかであり、安倍政権がバイデン有利とみて、陸上イージス配備見直しを決定したように見える。つまり世界は当面経済優先の協調路線をとる可能性が強いのである。
#戦略的後退 #再選戦略 #官僚独裁 #一党支配
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コメント

トランプはピンチ

 トランプに追随した安倍もピンチ。
  トランプに逆らった習も文もピンチ。
   次の大統領はバイデンで決まりだな。

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