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香港国家安全法案の狙いは何か!

今の中国とアメリカは対立しているかに見せて、実は利害を同じくしている側面がある。トランプは秋の大統領選があり、中国に穀物を大量に買ってもらわないといけない。中国も雑貨をアメリカに買ってもらわねば経済が持たない。つまり現在の中米関係は、かっての米ソの冷戦とは違い、依存しつつ対立する関係なのである。この点を見ておかないと外交的過ちをすることになる。

習近平政権が、全人代に提出した香港の「国家安全法」の狙いを見ておくことが重要である。香港は中国の資本主義化を進める上で華僑の資金を活用する金融センターの役割を果たしてきたが、中国政府はその香港の役割を、深圳や上海に移したいとの計画を持っている。

中国の「一国二制度」は台湾統一を展望した鄧小平の戦略であったが、習近平は野心家で、鄧小平の戦略を軍事覇権の確立による「偉大な中華民族の夢」「一対一路」戦略で踏みにじった。「国家安全法」は香港人民の民主を奪い取り、実質的に「一国二制度」の放棄であり、同時にアメリカへの挑発でもある。

トランプ政権が昨年11月に成立させた「香港人権民主法」は香港の民主化運動の弾圧が続けば香港に認めている関税やビザに関する優遇措置を見直すことができる。そうなると香港は貿易投資や金融に関する特別な地位を失うことになる。中国政府はこうしたことを見越して動いている可能性がある。

習近平政権は政治局で少数派であるが、反米と台湾の統一を掲げている限り習政権は持つのである。コロナ感染症を独裁的強権で乗り切った中国は、現在経済的苦境にある。出稼ぎ労働者7000万人が失業している。習が反米と台湾への武力統一路線で、経済的苦境を乗り切ることができるか注目される点である。

トランプ政権は再選を勝ち取るには今の習政権が続いてもらわねばならない。習にすれば覇権を放棄する「アメリカ第一主義」は好機であり、中国の覇権に利用できる。米中の現指導者が互いに対立しつつ相手を必要としている、したがってこの関係は、「対立面の統一の関係」であり、トランプと習近平の関係は、対立は絶対的だが、戦術上当面は互いに相手を必要とする関係なのである。したがって香港国家安全法案が全人代で成立しても、中米関係は激化せず、当面は対立を演出するにとどまるという点を見ておかねばならない。

中国は資本主義経済を発展させるには民主化・自由化を進めなければならないが、一党支配を維持するには、独裁的支配を放棄することはできない。この矛盾こそ名目上の社会主義、実際の資本主義である中国の悩みの種なのである。
#中国全人代 #香港の国家安全法 #台湾武力統一路線 #習近平の野心
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コメント

面白い関係ですね

 トランプは、覇権を目指す中国には都合がいい人物です。
習近平は危険な独裁者です。
 戦争になる可能性が高まります。

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