米は中国覇権主義との対抗戦略に転じるのか?!
米中の対立は貿易戦争、5Gの経済戦略から軍事的な対応へと変化しつつある。中国軍の南シナ海と東シナ海を内海化する、米空母機動打撃群の接近拒否戦略は、二つの海域への多数の中距離ミサイルの配備、南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事基地とし、急速な海軍力の増強で今や、アメリカは西太平洋における軍事的優位性を失いつつある。
中国は北にモンゴル、シベリア、西に砂漠地帯、南にチベット高原と地理的には戦略的防御に優れている。中国は南シナ海と東シナ海を守ればよく、防衛には恵まれている。だがこの点が、世界の覇権を争う立場から見ると戦略的弱点になる。
中国の戦略は習近平が「偉大な中華民族の復興」を掲げ、「一対一路」「中国製造2025」の戦略で、2025年までに経済的に世界の頂点を目指し、軍事的には南シナ海を拠点にインド洋からアフリカへと進出をおこなっている。アメリカが国連から撤退しつつある中で、中国は国連の各種機関を握り、インド洋に真珠の首飾りと呼ばれる拠点港を整備し、カシミールからパキスタン。さらにはブータンからバングラディシュへとインド洋への出口を求め画策している。それは南シナ海と東シナ海を封じ込められると世界戦略が成り立たないからである。
アメリカ軍が中東のイスラム過激派戦略から、対中国封じ込め戦略に転換しつつあるように見えるが、財政的な苦境から同盟国に依拠した戦略をとらざるを得ない。米海兵隊は現在数十年ぶりの組織改編を行っている。戦車中隊と橋頭保工兵中隊を廃止し、無人飛行機中隊と対艦ミサイル中隊に編成替えを行いつつあるのは、南シナ海の中国海軍封じ込めのためなのである。東シナ海は陸自の対艦ミサイル部隊が担当することになる。またアメリカは第一列島線への中距離ミサイルの配備も考えており、現在中距離ミサイルを開発中である。
つまりアメリカの対中国の軍事的均衡はすでに中国優位に転じているという見方が有力なので、アメリカは戦略立て直しを行っているのだ。オーストラリアのシドニー大学アメリカ研究センターは、アメリカは太平洋における軍事的優位を既に失っており、同盟国を中国から防衛するのは困難となる恐れがあると警告する報告書をまとめているほどだ。有事になれば戦力温存のため、米空母は中国のミサイルの射程外へ、つまりグアム以東へ避難するほかないのである。
コロナ感染症のパンデミックによって、いち早くコロナを抑え込んだ中国が、アフリカなどの発展途上国に大量のマスクを配り、戦略的関係を強化している。この点ではトランプ政権はマスクの輸出を禁止するなど、どこまでも「アメリカ第一主義」である。「同盟国を守りたくない」というトランプ政権が次期も次ぐようだと、中国の戦略的優位が強まる可能性がある。中国の戦略的優位を過重に見て韓国が中国すり寄りを強めているように、アジアの弱小国は動揺しており、アメリカの対抗戦略を具体化することが急がれる情勢にある。
アメリカがこのまま中国覇権主義の軍事的膨張を放置するようだと、日本は対米自立し、米中対立から距離を置いた方がいいかもしれない。中国政府はさぞかしトランプの再選を期待しているであろう。アメリカが自国優先主義を続けてくれる方が、中国は覇権確立の時間が稼げるのである。米海兵隊の再編がアメリカの対中封じ込め戦略として鮮明になるのかどうかは、秋の大統領選までわからないのである。
#米中対立 #接近拒否戦略 #一対一路 #対中封じ込め #第一列島線
中国は北にモンゴル、シベリア、西に砂漠地帯、南にチベット高原と地理的には戦略的防御に優れている。中国は南シナ海と東シナ海を守ればよく、防衛には恵まれている。だがこの点が、世界の覇権を争う立場から見ると戦略的弱点になる。
中国の戦略は習近平が「偉大な中華民族の復興」を掲げ、「一対一路」「中国製造2025」の戦略で、2025年までに経済的に世界の頂点を目指し、軍事的には南シナ海を拠点にインド洋からアフリカへと進出をおこなっている。アメリカが国連から撤退しつつある中で、中国は国連の各種機関を握り、インド洋に真珠の首飾りと呼ばれる拠点港を整備し、カシミールからパキスタン。さらにはブータンからバングラディシュへとインド洋への出口を求め画策している。それは南シナ海と東シナ海を封じ込められると世界戦略が成り立たないからである。
アメリカ軍が中東のイスラム過激派戦略から、対中国封じ込め戦略に転換しつつあるように見えるが、財政的な苦境から同盟国に依拠した戦略をとらざるを得ない。米海兵隊は現在数十年ぶりの組織改編を行っている。戦車中隊と橋頭保工兵中隊を廃止し、無人飛行機中隊と対艦ミサイル中隊に編成替えを行いつつあるのは、南シナ海の中国海軍封じ込めのためなのである。東シナ海は陸自の対艦ミサイル部隊が担当することになる。またアメリカは第一列島線への中距離ミサイルの配備も考えており、現在中距離ミサイルを開発中である。
つまりアメリカの対中国の軍事的均衡はすでに中国優位に転じているという見方が有力なので、アメリカは戦略立て直しを行っているのだ。オーストラリアのシドニー大学アメリカ研究センターは、アメリカは太平洋における軍事的優位を既に失っており、同盟国を中国から防衛するのは困難となる恐れがあると警告する報告書をまとめているほどだ。有事になれば戦力温存のため、米空母は中国のミサイルの射程外へ、つまりグアム以東へ避難するほかないのである。
コロナ感染症のパンデミックによって、いち早くコロナを抑え込んだ中国が、アフリカなどの発展途上国に大量のマスクを配り、戦略的関係を強化している。この点ではトランプ政権はマスクの輸出を禁止するなど、どこまでも「アメリカ第一主義」である。「同盟国を守りたくない」というトランプ政権が次期も次ぐようだと、中国の戦略的優位が強まる可能性がある。中国の戦略的優位を過重に見て韓国が中国すり寄りを強めているように、アジアの弱小国は動揺しており、アメリカの対抗戦略を具体化することが急がれる情勢にある。
アメリカがこのまま中国覇権主義の軍事的膨張を放置するようだと、日本は対米自立し、米中対立から距離を置いた方がいいかもしれない。中国政府はさぞかしトランプの再選を期待しているであろう。アメリカが自国優先主義を続けてくれる方が、中国は覇権確立の時間が稼げるのである。米海兵隊の再編がアメリカの対中封じ込め戦略として鮮明になるのかどうかは、秋の大統領選までわからないのである。
#米中対立 #接近拒否戦略 #一対一路 #対中封じ込め #第一列島線
スポンサーサイト

<<韓国総選挙=与党圧勝で高まる北東アジアの矛盾! | ホーム | 世界経済は恐慌的マイナス成長は必至!>>
コメント
トランプは反戦派だ。
トランプは徴兵制を逃れた人物で、反戦派です。トランプだ次も大統領だと喜ぶのは中国とロシアとイランですね。
コメントの投稿
トラックバック
| ホーム |