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オーストラリア国内での潜水艦建造は白紙か!

オーストラリア政府は次期潜水艦「アタック級」12隻の建造を自国で行う約束で、フランスの造船会社ナバル・グループと契約した。日本のそうりゅう型潜水艦が入札で敗れた計画だが、フランスの造船会社が約束を反故にしつつある。

この潜水艦建造計画ほど不思議な計画はない。ドイツは12隻の潜水艦を200億豪ドル(1隻あたり2000億円)未満で入札し、日本のそうりゅう型は12隻で1兆8000億円(1隻あたり1500億円)で入札した。ところがフランスのネバイルが作る潜水艦は現在価格が跳ね上がり、12隻で500億豪ドル(約6兆円)1隻5000億円だというのである。

オーストラリアの政治家はよほど数字に弱いのか?それとも買収されたのかわからないが、考えられない数字だ。しかも当初90%をオーストラリア側に生産させる約束が危うくなった。オーストラリア側の技術レベルがあまりにも低く、最先端の潜水艦の建造など初めから無理であったのだ。

フランス企業の代表が「契約前にはオーストラリアについてよくわかっていなかった。深く知るようになって、考えていたよりやることが多いと認識している」と発言したことから国内の建設が白紙になったと、オーストラリア国防関係者に衝撃が走った。このままでは契約が破棄されると見たフランス側は12隻の一部について原子力潜水艦を採用できると伝えている。

しかし国内に研究用の原子炉しかないオーストラリアには、原子力潜水艦は運転・維持できず、したがって必要ない。オーストラリア海軍は「長い航続距離」「任務の多様性」からフランスの潜水艦を選んだのだが、今のままでは1隻5000億円の高価な価値ある潜水艦が生まれる保証はない。

今年2月ドイツで開かれた「ミュンヘン安全保障会議」でフランスのバルり国防相とオーストラリアのレイノルズ国防相が話し合ったのは契約が守られるのかどうかをめぐるものであった。誰が見てもフランスのナバル・グループ(準国営企業)の潜水艦建造契約は実施に無理があり、建造価格の高騰と建造年数の先送りは避けられない。ただしオーストラリアの現政権はフランスに受注させた連中が中枢にいるので、政権交代が起こらない限り契約が破棄されることはないとみられている。

つまり次の選挙で、オーストラリアの政権が代われば、日本のリチウムイオン電池搭載で航続距離が数倍になり、価格も安い新型潜水艦購入の話しが出るかもしれない。
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