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中国が香港の民主化を容認できない理由!

香港人民の民主化デモが続いている。最近行われた香港区議選では民主派が8割を超える議席を獲得した。それでも中国は「一国2制度」を形骸化し、民主化を阻止したいのである。

中国の走資派指導部は、国家資本主義経済を発展させるうえで華僑の資金を利用した。香港は中国への華僑の投資の窓口になってきた。だが同時に香港は中国国内への窓口として民主的制度が波及することは走資派指導部には脅威となる。できるだけ人民支配の統制を強め「一国2制度」の骨を抜きたいのである。

中国国内は、既に世界一の監視社会となっており、この監視はカメラだけでなく、党員が人民の中で目を光らせている。なぜそうするのか、それは中国社会の持つ脆弱性が影響している。名目上の社会主義、実際の国家資本主義は、党官僚独裁を特徴としているので、人民の決起に極めて弱い特徴を持っている。

走資派指導部は、思想上は中国人民を裏切った修正主義であり、彼らは中国の党が左右の路線対立を繰り返し、今度は左へ向かう番だということを誰もが知っている。それゆえ文革の悪夢が絶えず彼らを怯えさせることになる。毛沢東は人民のデモや闘争、ストライキや壁新聞を張る権利を認めた。走資派指導部は毛沢東が指導した継続革命の予行演習であった「文革」の再発を恐れるために憲法を改正して人民の諸権利を奪った。

現在の中国は①国内経済の困難、②香港の民主化闘争、③アメリカとの貿易戦争、④ウイグル・チベット独立問題と、解決が難しい困難を前に政権としての無能をさらしている。中国国内では李克強首相の共産主義青年団出身者(=団派)の巻き返しが成功しつつあり、習近平主席はそれを阻止できない事態となり「切羽つまっている」状態にある。4つの困難の内一つとして解決できない習近平は指導者としての権威を喪失しつつある。

2022年秋の党大会には国家主席の座を追い落とされかねない事態が生まれている。習近平がこれを切り抜けるために、外に軍事的冒険主義に打って出る可能性さえ心配される。香港の闘争を天安門事件のように軍事制圧すれば、華僑資本が中国から逃げ出す可能性もある。習近平が目論んだ台湾統一も香港問題の影響で解決不能だ。習近平主席の苦境と反比例して党内で団派が台頭しつつあることが注目される。国内経済の苦境を習近平が切り抜けられるのか注目したい。経済政策では国営企業重視か民間企業重視かの経済路線対立であり、今のところアメリカとの貿易戦争が激化しているので、党内の路線対立は表面化していないが、それは鋭さと深刻さを内包しているのである。
#香港民主化闘争 #監視社会の中国 #一国ニ制度 #習近平の苦境
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