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官僚独裁の現代化打ち出した中国4中全会!

香港問題や少数民族問題や米中貿易戦争を抱える中国共産党の4中全会は、大方の予想を覆し内政重視の内容となったが、人事が見送られたのが特徴である。報道によれば中国共産党は5日、第19期中央委員会第4回全体会議(4中全会)で採択した全文を公表した。以下に報道に見られるその特徴を紹介する。

特徴の第1は、人事が見送られたことだ。これは米中対立の激化のなかで、人事に触れると各派閥の対立が表面化するので見送ったことと、もう一つは習近平が毛沢東並みの永世主席の地位を狙って後継者を指名したくなかった、という二つの理由が推測できる。

特徴の第2は、国家統治システムと統治能力の現代化を重視した事である。その為に「党の一切の指導、中央権威と集中指導の堅持」を打ち出したのは、官僚独裁を堅持する決意を示すものである。AIを利用した人民への管理・支配の強化を内容としており、官僚独裁の支配機構の強化を目指している。

特徴の第3は、「公有経済を揺るがさない」としながら「農村集団所有産権の改革」を打ち出したことである。文革で強化された公有制・集団所有制が内陸部の資本主義化の障害になっているゆえの「改革」と見られるが具体的内容は報道では不明である。

特徴の第4は、軍に対する「絶対的指導制度を堅持し完全にする」ことで、これは人民の軍隊を官僚独裁の武器にする決意を示すものである。習近平政権は、ますます軍事独裁政権化の傾向を示している。

特徴の第5は、一国ニ制度のシステムについて「一国を必ず堅持することがニ制度の前提の基礎」と定義し、「ニ制度は一国に従属し派生したもの」と位置付けたことである。同時に香港人による香港の統治を意味する「港人治港」を打ち出しているが、これは表向きである。報道によれば中国公安当局は香港に「2万人」を送り込み、これを「表部隊」と「裏部隊」に分け、「裏部隊」を使い窃盗やデマ、破壊工作等に使い、デモ鎮圧を進めているという。つまり報道された特徴の中には表向きの内容もあるということである。

以上の事から言えることは、4中全会はアメリカとの貿易戦争を乗り切るため、内部の派閥争いを回避し、各派が合意できる議題に絞ったということである。つまり統治の強化を打ち出した裏には治安上の問題(=人民の闘争)が起きているということでもある。

ゆえに「中国の特色ある社会主義」とは形式上の社会主義、本質としての官僚独裁が持つ矛盾は、人民のための社会が、実際は官僚の支配のための社会となっており、この矛盾が中国の支配上の脆弱性の現因でもあること、つまり中国は民主化できないのである。

資本主義は民主化しないと継続して経済成長できないと分かっていても中国は民主化できないのである。民主化すれば毛沢東が官僚独裁を打倒する人民の予行演習としての「文革」(=継続革命)が火を噴くからである。つまり中国の官僚独裁は、社会主義を私物化した裏切り者たちの支配の脆弱性を示している。中国共産党の歴史は、右から左え交互に路線闘争が繰り返され、今度は左の番だと誰もが知っているし、それゆえ共産党の走資派幹部達は恐れて、支配体制の強化に狂奔しているのである。
#中国4中全会 #官僚独裁 #文革 #継続革命 #農村集団所有 #中国の特色ある社会主義
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