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柔軟性のない習近平政権のお粗末さの原因は?

香港人民の抗議デモは、当初は「逃亡犯条例改正案」に反対するものであった。だから早い段階で中国政府が「逃亡犯条例改正案」を撤回すればデモは鎮静化したのである。中国政府は「香港は中国の内政問題だ」と力説するが、その内政問題を一向に解決できない無策はどうしょうもない。ロイター通信によれば香港のトップ林行政長官が8月下旬に「逃亡犯条例改正案」を撤回すれば抗議デモは沈静化するとの見解を中国政府に示したが、中国政府はなぜか無視した。

アメリカと世界の覇権を2分する「中国の夢」を追い、毛沢東と並んで自分が終身最高指導者になろうという習近平には、妥協や譲歩と言う日和見的な政策は取れない。鄧小平の静かに目立たず力を蓄える、という遺言すら彼は守れず、「中国の夢」を掲げ、覇権の復活を目指した強い指導者としての姿を国内に演出してきた。習近平の弱点は内政・外交での柔軟性と決断力が無いことである。

それは米中の貿易戦争にも表れている。自分から覇権争いをしかけた割に、習近平には妥協や譲歩が無く、アメリカが関税を上積みすれば、やられたらやり返す愚策を繰り返す。貿易で言えば中国は売り手であり、アメリカは買い手だ。アメリカは年間5500億ドル分の製品を輸入し、中国は年間1300億ドルの商品しか輸入していないのだ。中国経済がアメリカ市場に依存しているのであるから貿易摩擦には妥協するしかない。ところが次の大統領選でトランプの負けを期待するかのように、いつまでも譲歩で解決できないのが今の中国だ。

それは国内の治安政策にも示されている。まるで走資派指導部が中国人民の民主化運動を恐れるかのような独裁体制、少数民族であるウイグル民族とチベット民族への収容所への隔離と、民族浄化政策は、愚劣極まるとしか言いようがない。

習近平は今年1月に台湾へ「一国二制度」での祖国の統一を呼びかけたが、それならなおさら香港の民主化を保障しなければならなかった。香港人民への強圧的対応は台湾の人達にすれば独立を選択せざるを得ないであろう。習近平最高指導者には政策の優先順位がなく、また柔軟性がないし、決断力もない。習近平体制は最高指導者の資質から見て意外にもろいようだ。

これでは習近平がアメリカに譲歩や妥協をすれば、習近平は党内の批判を受ける立場にいると思うほかないのである。中国経済が不況に入り、国内の治安が不安定になれば、もろさを内包する走資派指導部が、強化した軍事力で戦争への道を暴走するほかないであろう。アジア諸国、とりわけ台湾と日本は軍事的備えを急いだ方がいい。
 #習近平 #一国ニ制度 #民族浄化 #香港抗議デモ #逃亡犯条例 #中国の夢
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