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アメリカの戦略的後退招くトランプ外交!

トランプの「アメリカ第一主義」が、アメリカの戦略的後退を強いている。アメリカはアジアと中東で敵対的関係を作りだしたが、戦略的・外交的にどちらも失敗している。

対中国の貿易戦争も何処までやるのか定かでないので中国の譲歩を引き出せていない。北朝鮮の核放棄も武力行使はない、と読まれて足元を見られている。中東ではイランと敵対的関係を築いたが、イランを膝まずかせることいはできなかっただけでなく、これまで同盟関係にあったクルド人武装勢力を見捨てて撤兵を発表したために、トルコ軍のシリア侵攻を招いた。

トランプ大統領は16日、トルコがクルド人勢力へ軍事作戦をしていることについて「アメリカとは何の関係もない」と述べた。トランプは自分がシリアからのアメリカ軍撤兵を決めた2日後に、戦略的空白地帯にシリア軍の進行を招いたとの認識はみじんもない。

しかしアメリカ国内では軍を撤退させて同盟関係にあったクルド人勢力を「見捨てた」との批判が高まっている。与党共和党の有力議員からも「完全な安全保障上の大惨事だ」との批判が出て、アメリカ議会では軍の撤退に反対する決議案が可決、与党・共和党からも大量の議員が賛成に回った。

トランプ政権が副大統領と国務長官をトルコに急きょ派遣したのは、トランプの戦略的失敗を取り繕う目的であり、トルコに撤兵を迫り、撤兵しないなら経済制裁を課すとの意思表示で、アメリカは同盟関係にあったクルド人勢力を見捨てていない、とホロ―するために過ぎない。

トランプの戦略なしの撤兵策は地域覇権国を多いに励ましている。ロシアは軍事拠点であるクリミア半島を手に入れシリア、イラン、トルコを同盟相手とした。中国は南シナ海を侵略拠点化し、南太平洋からインド洋まで、また中央アジアにまでその勢力圏を拡大した。

アメリカが金のかかる海外派遣をすべて撤兵するのだから、当然にも軍事的空白地帯が地域覇権国の軍事的進出を招くことになる。トランプが「アメリカとは何の関係もない」と言うのは無責任と言うべきだ。アメリカ議会がシリアからの撤兵に反対して動き始めたのは、アメリカが失う戦略的基盤、同盟国の信頼喪失の大きさを理解しているからに過ぎない。同盟関係にあったクルド武装勢力を見捨てたアメリカの信用の喪失は、アメリカの戦略的立て直しを不可能にする可能性がある。

トランプ大統領の頭には再選しか無く、アメリカの戦略的損害等は考慮の外であり、それゆえ世界は地域覇権国の台頭を招き、一極支配の崩壊、多極化の時代を招きつつあるのだ。今やトランプの味方は日本の安倍しかいなくなった。アメリカは中国・ロシア・イラン・トルコ・北朝鮮にもなめられ、韓国に至っては中国・北朝鮮陣営へと馬を乗り換えようとする始末だ。

日本は早急に防衛力をバランスのとれたものに強化し、対米自立を急いだ方がいい。同盟国をいとも簡単に裏切る相手に、民族の運命を委ねるわけにはいかないのである。#アメリカ第一主義 #戦略的後退 #クルド人武装勢力 #戦略的空白 #トランプ
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