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マイナス金利時代を迎えた異常な世界経済!

欧州中央銀行の(EBC)のドラギ総裁は9月12日の理事会後に「長期に渡って高いレベルでの金融緩和スタンスを取る必要がある。」と述べて中銀預金金利のマイナス0,4%からマイナス0,5%への引き下げを含む総合的金融緩和策を発表した。

「低成長と低インフレ」「デフレスパイラル」を世界では「日本化」もしくは「日本病」と呼ぶ。今や欧州は日本よりも日本化している、と言われる事態だ。ドイツの超長期金利(30年債利回り)は急落してマイナスになった。オーストリアでは100年債の金利が0,71%だ。100年金を貸して、その金利が0,71%というのだから異常な事態だ。デンマークの第2位のユスケ銀行は8月、住宅ローン10年(固定金利)をマイナス0,5%に設定した。住宅ローンを借りれば固定の金利がもらえるのだ。

何事も原因があって結果がある。この経済の「日本病」の原因については語られることはない。マイナス金利にするということは、金余りなのに借り手がいないという経済状況であることだ。その原因は旧ソ連崩壊後にG7の首脳たちが、もう社会主義の脅威はなくなったから「平和の配当を獲得しょう」と野蛮な搾取へと舵を切ったことによる。

日本では小泉改革がそれに当たる。労働者への搾取の強化は、国民経済の消費の7割を占める個人消費市場を縮小させる。ものが売れなくなり、物価が下がる。こうしてデフレスパイラルに陥る。こうして日本は失われた20年を迎え、GDPは縮小し、世界第2位の経済は中国に追い抜かれ、現在は日本経済は中国の3分の1近くまで相対的にGDPは縮小した。

日本や欧州は、労組を家畜化したことで労働者の賃金が恒常的に上がらず、搾取率は高まり、個人消費は縮小した。資本主義は資本家と労働者の均衡のとれた分配率があって初めて拡大再生産が可能になる。ところが強欲の資本主義はこのバランスを崩し、資本家の金余りは、借り手のいないだぶついた資金となり、とうとうマイナス金利となった。金利を下げても買い手がいないのだから、誰も金を借りて設備投資するものはいない。マイナス金利は不動産バブルを生むだけであろう。

アメリカのインフレ連動債も10年物は実質金利はマイナスになっているという。それでもトランプ大統領は金利を下げることを要求している。今や世界はマイナス金利の時代なのだ。これが新たなバブル経済を呼び、バブルの崩壊のあとに本当の「日本病」が待っているのだ。

資本主義の資本家(経営者)と労働者は「対立面の統一の関係」にある。両者は互いに相手を必要としているのに、労働者への賃下げで、この均衡を強欲の資本主義が突き崩したことが、金余りであり、ゼロ金利であり、それがバブル経済を準備し、深刻な「日本病」に世界中が陥りつつある。

再び世界経済を活性化するには、強い労組を保証し、賃金が継続的に上がり続けるようにするほかないのだ。それが出来なければ世界経済は深刻なバブルとその破たんで、経済恐慌を招き、動乱の世界へと突き進むことになる。世界の政治指導者はマルクスの「資本論」に学んだ方がいい。#マイナス金利 #デフレスパイラル #日本病 #低成長と低インフレ #バブル
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