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建国70周年を迎えた習近平政権は失策ばかり!

習近平は政治的ライバルを反腐敗の闘争で一掃したが、このところ習近平政権の失敗が続いている。中国の覇権の確立を目指す「中国の夢」と「一帯一路」の戦略を打ち出して、アメリカのトランプ政権を刺激し過ぎたのが第1の失策だった。米中の貿易戦争はとう小平の戦略的野望を静かに秘匿する路線を続ければ避けられた。米中の貿易戦争も譲歩・妥協できず、結果米中の対立を長期化させ経済危機を深刻化した。

第2の失策は、民主化闘争を恐れるゆえに香港民衆の闘いに譲歩できなかったことだ。このため香港人民の闘いが拡大し、5つの要求を掲げさせ、しかも警察官が高校生に発砲した。力に頼り過ぎるのは官僚独裁の悪い癖で、結果香港の「一国2制度」が欺瞞であることを自己暴露した。

第3の失敗は、台湾の総統選挙で親中派の韓氏と、財界の信任が厚い経済人の郭氏の2人を競わせた後で一本化する戦術を取った。ところが予備選で郭氏が敗れたことで、双方の軋轢が激化し、両方にしこりが残り、総統選で候補を一本化できなかった。このため総統選では現職の蔡英文氏が優勢となった。とりわけ香港人民の闘いが台湾の人々の習近平独裁政権への警戒心を高めることとなった。

また中国外交部は南太平洋の諸島国家に資金をばら撒くことで台湾支持からこれらの国々を中国支持へと変えることに成功した。台湾の国際的孤立化が狙いだったが、アメリカが中国の太平洋への野心と、資金をばら撒くやり方を批判し、蔡英文支持を明確に打ち出すこととなった。これも習近平政権の第4の失策である。習近平は覇権を狙っているのに、対抗する相手が見えていないのだ。

習近平政権の第5の失策は、建国70周年のパレードで最新兵器を並べ立てて、「中国の前進を誰れも止めることはできない」と、中国の軍事覇権確立への野心を隠そうとしなかったことだ。習近平政権の特徴は世界覇権を隠そうとせず、軍事力と資金を高くかざして、帝国主義的な高圧的外交を行うことで、いかにも中華思想丸出しなところである。これが衰退しつつあるアメリカという覇権国をいたく刺激することになっている。

中国は今年10月中に4中総会という重要な会議がある。同会議で習近平のこのいくつかの失策が批判される可能性がある。そうした意味で香港と台湾で中国政府が何らかの巻き返しを試みる可能性が高い。この点が当面の中国外交の注目点である。
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