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アメリカの戦略的重点は北朝鮮ではなくイランだ!

アメリカの核非拡散政策は、イランと北朝鮮は対照的に違う。イランにはオバマ大統領が結んだ核合意をトランプが離脱し、イランへの経済制裁を実施した。ところが北朝鮮の金正恩には極めて好意的で北が大陸弾道弾と核実験さえしなければ他は大目に見ている。

イランが核合意に基づく一部の義務履行停止を発表し、安倍首相がイランを訪問している6月13日に、ホルムズ海峡付近で日本のタンカーなど2隻が攻撃を受け、6月20日にはイランの革命防衛隊がホルムズ海峡付近でアメリカ軍の無人偵察機を撃墜した。

つまり中東で緊張が激化したらトランプは北朝鮮の金正恩に親書を送り、6月末の訪韓時に非武装地帯で合うことを申入れた。北朝鮮が牽制のため短距離弾道ミサイルを発射しても、トランプは「彼らは核実験していないし、小さいミサイルしか発射していない」と気にもしない。

それに反し対イランのために同盟国に「有志連合」への参加を呼び掛けている。明らかにアメリカはイランの政権打倒を狙っている。イランと戦争する上で北朝鮮に第2戦線を開かれるのが嫌で、北朝鮮には融和路線を選択しているかに見える。つまり北朝鮮の政権は打倒せず、非核化を迫り、非核化しないうちは経済制裁を続けるつもりなのだ。

このアメリカの政策は、イランには豊富な油田があり、北朝鮮には油田がないこと。中東にはイスラエルという同盟国があり、極東における北朝鮮の核とミサイルは、アメリカの脅威ではないが、中東のイランの核保有はイスラエルの安全保障上断じて見逃せないのがアメリカなのだ。

北朝鮮にすれば国家が安全に存続を許され、核実験と大陸間弾道弾さえ実験しなければ体制存続が許されるのであるから、経済制裁さえ我慢すればいいのである。北朝鮮が最低限必要な物資は中国が保障するのであるから、半島におけるアメリカの現状維持戦略は明らかなのである。

韓国の文在寅大統領は、米朝対話が南北の統一国家樹立のチャンスと見たが、これは間違いに過ぎなかった。アメリカの半島の現状維持、すなわち分断の現状固定化は何も変わっていないのである。北朝鮮が核を放棄するはずがなく、したがって国連の経済制裁も続くことになる。文大統領の北朝鮮との経済交流はアメリカが許さない。

世界最大の産油国となったアメリカにとって、中東での戦争は支払い能力ある武器市場であり、金は有志連合にださせればアメリカの軍需産業は多いに潤うことになる。原油も値上がりするのでアメリカはニ重に儲かるのだ。トランプがイラン核合意から離脱し、自分から緊張を作りだした裏にはアメリカの戦争願望が明確に隠されていると見るべきであろう。

軍需産業国家のアメリカの景気刺激策は、支払い能力ある地域での戦争なのだ。しかしその為の「有志連合」には今のところ参加国はイギリスだけであるのは、誰の目にもアメリカが作りだした緊張だと分かり、また国連決議もないので「有志連合」は多くの国が警戒心で見ているのである。
#非核散政策 #北朝鮮 #金正恩 #現状維持戦略 #文在寅大統領
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