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反米ブロック経済圏目指す中国の弱点!

米ソの冷戦と、米中の新冷戦の違いは市場にある。米ソはそれぞれ違う経済圏(社会主義経済圏と資本主義経済圏)を支配していたが、米中はグローバル化の中で同一の市場で相互依存関係にあることだ。

反米ブロック経済圏と言ってもロシアやイランの市場はあまりにも小さい。だから表だって反米ブロック経済圏を押し出すことができない。せいぜい「一帯一路」だ、しかしそれも全盛期のイギリス帝国主義の手法で、既にメッキははがれており、自らの市場圏を獲得できるわけではない。

中国の弱点は国内に自由と民主主義がないことだ。天安門事件で武力行使で外資の権益を守る決意を示して、外資の導入で輸出基地として発展し、技術のパくりで国内企業を育成したとはいえ、自由と民主主義がない国では資本主義は発展しない。

沿海地方以外は今も多くが自給自足経済だ。元社会主義の国内市場は資本主義が発展しにくいのである。資本が形成しないところで「開発特区」をいくら作ろうと、それは廃虚に過ぎない。所詮独裁体制下の場所貸し経済だ。

そこに今回の米中貿易戦争だ。帝国データバンクが発表した報告書によると、中国に進出している日本企業は2019年5月時点で1万3685社で16年の前回調査から249社減少した。

中国は人口ほどの市場ではないし、政治リスクが大きすぎるので、今や魅力のある市場ではない。中国側の狙いが、日本企業の技術を奪い取るだけであることを日本企業が理解しつつある結果である。

現在香港で中国並みの自由と民主主義のはく奪が進み始め、雨傘運動の5倍以上の民主化運動が起きている。この運動は台湾の総統選をめぐる米中の代理戦争に影響を与えざるを得ない。もし世界の市場が独裁市場と自由市場に分裂するなら台湾の経済は自由市場を選ばざるを得ないであろう。

こうして見ると中国は今のところアメリカと妥協を余儀なくされる。トランプは大統領の再選を優先するので双方とも妥協は必然で、大統領選までにその駆け引きが続くであろう。

中国は今以上の経済発展のためには民主化が必要であり、されど民主化を進めれば一党支配が崩壊するのは必然で、まさしく矛盾関係の中で独裁体制を続けるほかないのである。

アメリカの貿易戦争が中国経済の危機を拡大し、国内矛盾を激化させるであろう。絶対的独裁支配下でも安定しているのは経済的豊かさが続いているからであり、経済危機で民衆が食えなくなれば体制の崩壊もありえるか、もしくは対外戦争へ突き進む可能性がある。

中国の絶対的な独裁は、弱さの表れであり、案外もろい支配体制なのである。それを自覚しているがゆえに、走資派指導部は目と鼻の先の香港の民主的支配をそのままにはできないのである。
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