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リビアの石油権益で争う仏伊の代理戦争!

カダフィ政権を打倒するためにフランスを中心とするNATO軍が2011年にリビアを空爆した。その後のリビアは混迷している。カダフィ政権下ではリビアの石油の最大の貿易相手国はイタリアのENIで日産で24,4万バーレルの商権を握っていた。この時フランスのトタルは5,5万バーレルに過ぎなかった。この2つの会社の母国、イタリアとフランスがそれぞれの政治勢力を支持したことでカダフィ政権後のリビアは国家分裂状態にある。

イタリアは首都トリポリを拠点とする「国民合意政府」のシラージュ暫定政権首相の勢力を支援し、フランスが東部のベンガジを拠点とする「リビア国民軍」(LNA)を支援している。そして今「リビア国民軍」がトリポリの占領を目指して戦火が首都に近づいた。4月5日、グテレス国連事務総長はこの事態を懸念し、安保理緊急会合でトリポリでの軍事衝突を回避するよう訴えた。

フランスはリビアの南の、ニジュールやチャドでウランを採掘しており、この戦略拠点と国境を接するリビアの旧宗主国でもある。フランスは「リビア国民軍」のハリファ・ハフタル将軍をテコ入れし今やリビアの油田の大半を支配するまでになった。リビアの石油権益をフランスに奪われつつある中で、イタリア政府はマクロンのフランスを批判し続け、国民感情も悪化している。フランス政府はイタリアの批判に反発し、2月7日にイタリア大使の召還を発表した。

つまり、リビアにおける内戦はイタリアのENIとフランスのトタルの2つの企業の石油権益をめぐる対立なのである。このままではENIはリビアの石油権益を失うことになりそうだ。2011年のカダフィ排除のNATO軍の攻撃が、実は石油権益をめぐるものであったことが明らかとなった。リビアの石油は高品質と低価格で知られており、同じNATO内のフランスとイタリアの石油をめぐる争いは、リビアの内戦をたきつけているだけに、醜い植民地的手法と言わねばならない。

イタリアにしてみればリビア空爆後アフリカ系難民が押し寄せて経済的負担が重く、その挙句フランスにリビアの利権を奪われるのだから、フランス政府に怒りが高まるのも当然だ。イタリア政府が多くの警告を無視して、中国の「一帯一路」に飛びついたのは、フランスへの当てつけと言えるもので、EUはイギリスの離脱騒ぎの上に、イタリアとフランスの対立の中で、分裂への道を進み始めたように見える。欧州の植民地主義的手法がEUの分裂を促すことになるであろう。
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コメント

独裁政権打倒は口実だったのか

 フランスは汚いな、ゴーンをかばうのもわかるよな!
 外国に促されて内戦を闘うリビアの国民は、
何のために戦っているのだろう。

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