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トランプは同盟国切り捨てではない!

トランプ大統領の「アメリカ第一主義」が同盟国切り捨てだとか、トランプは多極主義だとかの論があるが、それは現象を一面的に見るもので間違いである。トランプは不動産業者の経験から、独特の「取引手法」を使う。最初は輸入車への追加関税で同盟国を脅し上げ、貿易交渉で譲歩を迫る手法である。

たとえば昨年5月にトランプ大統領は車の輸入が安全保障上の脅威か調べるよう指示した。今年2月17日、その報告書が提出されたが、なぜかその内容は公表されていない。鉄鋼アルミの関税の標的は中国だったが、自動車の標的は欧州・日本・カナダの同盟国だ。トランプ大統領は今年3月14日に、「日本が通商交渉に応じたのは関税のおかげ」と脅しの効果を強調した。

日本政府はこの脅しに震え上がり、自動車業界に対米譲歩を促した。トヨタ自動車は2月14日アメリカの5工場に7,5億ドル(約840億円)の投資をすることを発表し、訪米した豊田社長は「アメリカがトヨタの成功をもたらしてくれた」と感謝した。このように日本は始めから屈服の対米屈従である。日本の外交べたは話にならない。

日本と対照的なのがドイツと韓国だ。ドイツのメルケル首相はトランプ大統領を痛烈に批判し、ロシア産天然ガスのパイプラインをバルト海の海底に敷設し、ロシアへの接近と、独自の欧州軍創設の動きを示し、アメリカをけん制した。韓国は南北統一を展望し、アメリカの在韓国駐留米軍への負担を増やしつつも、アメリカ軍を撤退に追い込む振りを演じている。いずれもアメリカと敵対する相手に接近のスタンスを示すことで、アメリカの圧力を抑制しようとしている。

トランプ大統領は、始めにデール(取引)の相手を驚かして、その後話合いで譲歩を迫る手法が、現象的には多極化を促しているように見えるし、事実多極化を促しているのだが、その事を持ってトランプ大統領を多極主義だとか、同盟国切り捨てだと決めつけるのは間違いである。アメリカ政府が自動車輸入の安全保障上の脅威に関する報告書を公表しないのは、日本車や欧州車の生産を25%の追加関税で減産させると、ただでさえ減速している世界経済に大打撃を与えることを考慮している可能性がある。

トランプは対中国への貿易戦争による容赦のない打撃と違い、同盟国には話合いの譲歩のための脅しとして「追加関税」を持ち出しているのだ。アメリカが在駐留米軍の全費用+50%の「費用+50%」の負担を受け入れ国に持ち出しているのも、同じ脅しと見るべきであろう。トランプは彼流のやり方で「強いアメリカ」を再現しようとしているが、そのことが逆に望んでいないアメリカの覇権戦略を破壊し、多極化に作用していると見るべきであろう。
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