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中国の特色ある社会主義とは債務依存経済!

中国経済の強みは1党支配の独裁体制が、外国の投資を保護する点にあった。外国企業はだから安心して中国を輸出基地にできた。だから沿海地域の経済は「場所貸し経済」で輸出基地としての安い労働力が強みとなった。しかし今では賃上げでその強みもない。産業の空洞化を心配しなければならないのだ。

中国の特色ある経済は、党中央が指示すれば、各地方が右になれいで従うことになる。中国各地に借金で工業団地が各地に作られたが、しかし自給自足の経済では誰も投資するものがおらず、いずれも廃虚(=「新鬼城」と呼ばれる)となっている。残された借金は借り換えで隠蔽する。中国鉄路総公司は高速鉄道路線を作り続け、建設コストを回収できないまま87兆円の借金を積み上げた。香港とマカオと珠海を結ぶ海上橋は、金利ゼロで計算しても料金収入で借金を返済するには320年かかると試算されている。

つまり「中国の特色ある社会主義」とは、採算無視のインフラ投資が行われ、投資資金の回収が不可能な資本主義の事なのだ。その結果は内外からの莫大な借金であり、それをいつまでも借り換えでごまかすことはできない。中国企業の対外債務だけで6000億ドル(約66兆円)でこれが返済不能になる可能性が出てきている。

中国企業と地方政府のドル建て債権の償還は合計7000億ドル以上に上り、その大半がロールオーバー、つまり借り入れのための借入である。現在中国経済は、内に国内需要の落ち込み、外にアメリカとの貿易戦争で、最悪の状況にあり、昨年末に850万人ので失業者が農村に帰り、今後約2000万人の失業者が出ることが予想される。

つまり中国経済の借金での需要創出策は、採算無視であるので、実際には借金を増やすだけで終わることになりかねない。つまり習近平の「強国路線」とは一党支配の強化で経済の破たんを防ぐという無謀極まる路線であり、「中国製造2025」の高度技術戦略については全人代では一言も触れなかったのは、アメリカをこれ以上刺激しない対米路線の修正の結果である。

全人代の政府活動報告では、国内投資として鉄道投資8000億元、水運交通1,8兆元、中央予算の投資額は5776億元で、約1100万の就業機会を作るとしている。しかしこうした投資は「中国の特色ある社会主義」では、採算無視の借金を積み上げるだけであり、中国の大債務危機が迫っており、人民元の「暴落危機」は目前に迫っていると断言できる。中国経済の破たんが一党支配の終わりとなる可能性が強いのである。日本経済がこのあおりで「中国ショック」に直撃されることは避けられないであろう。
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