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レアアースを中国に依存する米の戦略的弱点!

米中の新冷戦がかっての米ソの冷戦と違うのは、アメリカが進めたグローバル化の中で相互依存が進んでいる点だ。中国はアメリカ市場に依存し、アメリカは中国からレアアースと呼ぶジスプロシウムやユウロビイム、イツトリウム等がなければウァジニア級攻撃型原潜も、アレイ・バーク級駆逐艦もF35A戦闘機も生産できないのである。

トランプ政権は国家安全保障戦略で中国とロシアをアメリカに挑戦する「修正主義国家」と指摘して対決姿勢を鮮明にした。「国家防衛戦略」でも中国を「地球規模での優位を確立しアメリカにとって代わる」意図を持つとして批判している。

アメリカの最新の兵器が、レアアースがなければ生産出来ないのに、アメリカ政府には驚くべきことにその対策がなされていないのである。エレン・ロード国防次官は昨年4月講演会で「我が国は驚くべきことに中国に依存しています。つまりレアアースの供給源が中国だけしかないのです。これは早急に解決すべき問題に他なりません」と発言したが、それ以降も対策は何もとられていないのである。アメリカは今でも必要な量のレアアースを市場価格で買えると考えているのだ。

ウァジニア級攻撃型潜水艦一隻には4,17トン、アレイ・バーク級駆逐艦一隻には2,36トン、F35A戦闘機一機には0,2トンのレアアースが使われている。これらのレアアースをアメリカは100%中国に依存しているのだ。レアアースはアメリカにもあるが商業ベースで採算の取れる鉱山や精製設備や、産業基盤はすでに存在しないのである。

もちろん中国もアメリカ市場に輸出しなければ産業を維持できないのであるから、これは戦略的相互依存とも呼ぶべき関係なのである。つまり米中の新冷戦は戦略的相互依存の中で覇権をめぐる闘いが展開されることになる。この点が米ソの冷戦と違う点なのである。だから米中の首脳が話合いで妥協しつつ戦略的対立関係を維持することになる。こうした戦略的対立関係はアメリカが提唱・推進したグローバル化の結果なのである。つまりトランプは「アメリカ第一主義」でグローバル化に反対だが、それでもアメリカは戦略的相互依存から脱することができないのである。これは解決が難しいという意味で、絶対的矛盾とも呼ぶべき矛盾関係である。
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