FC2ブログ

金正恩訪中の持つ戦略的意味!

今回の金正恩訪中は習近平主席の招待と報じられている。北朝鮮の非核化を具体化することを優先するアメリカと、核廃絶に向けた各段階での相応の措置、すなわち見返りを求める北朝鮮の駆け引きで、米朝交渉はこう着状態となった。北朝鮮の核兵器を放棄せずに対話ポーズで見返りを手にしようとの思惑は外れた。

金正恩の最大の誤算は、アメリカと中国の貿易戦争や技術支配をめぐる戦略的対立が激化したことだ。これによって北朝鮮カードが中国にとっての外交的戦略価値を持つようになった。国連の経済制裁が北朝鮮経済に与える打撃は大きく、北朝鮮はアメリカが核放棄の具体化を要求しているので、核を放棄したくない北朝鮮が生き延びるには、韓国や中国の人道支援や制裁の例外措置に頼るほかない。
民族和解による「核保有の統一朝鮮」を夢見る文在寅大統領の、南北鉄道連絡のための調査で、燃料を満載した試験走行用の列車が韓国から北朝鮮に向かったように、韓国は北朝鮮への人道支援に極めて熱心だ。韓国では非政府組織(NGO)を中心に北朝鮮への人道支援の動きが出ている。北朝鮮を南北から経済的に支えているのは韓国と中国だ。今回の金正恩訪中はアメリカとの核放棄の交渉の打ち合わせと人道支援を得るのが目的であることは明らかだ。

中国の習近平主席が4日中央軍事委員会の軍事工作会議で演説し「予測困難なリスクが増えている」との危機感を示した上で「軍事闘争の準備をしっかりと行い、強軍事業の新局面を切り開くよう」指示したのは、アメリカの中国への圧力が貿易・技術・金融だけでなく中国共産党の解散を狙っていることが明らかなので、軍事闘争の決意を示すことで交渉中の米中貿易交渉での妥協を得ようとしているのである。習近平にとって北朝鮮の核放棄は唯一アメリカと利害を同じくする問題であり、北朝鮮カードの価値が上がり、米中の覇権争いの駆け引きのカードとなった。

つまり北朝鮮の核放棄の課題をダシに米中から利益を引き出そうとした狙いは外れ、米中の覇権争いに巻き込まれ、経済制裁の圧力を凌ぐために中国の人道支援にすがるしかないことになった。こうした局面では、金正恩の核放棄でアメリカに接近し、段階的に経済的利益を得ることは極めて難しくなった。ここでいう段階的に、という意味は核放棄をせずに、経済的利益だけを獲得する、いつもの「やらずぼったくり」の詐欺的手法の事である。

中国と北朝鮮というアメリカと交渉中の2国の接近は、北朝鮮の核放棄を唯一の外交成果としたいトランプ大統領の思惑も、また困難にしているのである。
スポンサーサイト

コメント

なるほど!

 確かにトランプ外交が複雑な情勢にしています。
 小国が外交で主導権を保持するのはむつかしいですね。
 北も韓国も外交は失敗だと思いまうs。

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

SEO対策:政治