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米中の戦略的対立から世界情勢をみることが重要!

昨日のブログで明らかにした米中の「宣戦布告なき戦争」の行方を見定めるのを難しいものとしているのはトランプ外交だ。米中の覇権争いが主要な矛盾なら、アメリカは同盟関係を固めるべきなのだが、トランプ政権はまず北米自由貿易圏(メキシコやカナダ)やEUに関税戦争をしかけた。これが事態を複雑にしている。関税をかけることでアメリカ経済が復調すると本気で思っているからなのか?理解しがたい。トランプは資本主義の不均等発展の法則が理解できていないのではないか?

アメリカが米中の対立関係を主要な矛盾と考えているなら、対ロシア関係をアメリカは改善しなければならない。プーチン大統領がこのあたりを探るためにウクライナの艦船を拿捕してアメリカの反応を見る必要があったのではないだろうか?

トランプ大統領が、中国がアメリカから約一兆円もの穀物を買う約束で取引し、関税問題を数カ月先送りしたのも理解が難しい。アメリカ政府がキチンと戦略を出していないので世界の外交に混乱が生じている。さらに理解しがたいのは対中封じ込めならTPPが中国の経済戦略に対坑する上で重要なのに、アメリカはTPPから脱退した。自分から世界で孤立しながら中国との覇権戦争に勝てると本気で思っているのか?理解しがたいことだ。

トランプの「アメリカ第一主義」は明らかにアメリカの対中戦略にマイナスとなる。トランプ外交は明らかにグローバル化の反転・逆流なのだが、それでは自分から同盟関係をぶち壊し、中国を有利にすることになる。アメリカが孤立主義で中国が自由貿易を強調する奇妙な流れが起きているのだ。まるでトランプ外交がアメリカを戦略的に不利に導いているように見える。

トランプの孤立主義外交が世界通貨ドルの地位を自分から危うくしている。中国は元を国際通貨にしていくチャンスが生まれている。実際に中国はイランからの原油の支払いを元で行い始めた。
安倍首相はアメリカに戦略の整頓を求めた方がいい。何がアメリカ外交の重点なのかが不明で、混乱している。アメリカの超党派の戦略は、中国をまず技術面で封じ込めることなら、その旨を同盟国に告示すべきである。トランプ外交はアメリカの戦略を理解しないで、同盟国攻撃を行う行為が中国を有利にしている点を指摘した方がいい。安倍政権が中国の「微笑み外交」に取り込まれるのも、アメリカの戦略的混乱から来ているように見える。

まさかアメリカは中国とロシアを同時に敵とするのではないであろう。中国が主敵ならアメリカは対ロシア戦略を転換しなければならない。世界を混沌に導いているのがトランプ外交のように見えるからややこしいのである。外交的混沌という意味で世界情勢はまるでかっての大戦前夜のように見える。政治家の愚劣が戦争を招くという図式が再現しつつあるように見える。
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コメント

大変勉強になります。

 情勢がよくわかります。さすがですね。

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