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アメリカと中国の体制的対立の内容!

米中の「新冷戦」と呼ばれる対立は、アメリカ型資本主義と1党支配の官僚型資本主義の対立であり、表現を変えれば古い帝国主義と新興の帝国主義の体制的対立である。それは米ソの冷戦が資本主義と社会主義のイデオロギー的対立であったが、米中の対立は双方が経済的依存関係を保ちながら将来の覇権争いを展望しつつ、自由主義的な原則である知的所有権、個人の自由、信教の自由を尊重するか、それとも官僚の独裁をすべてとするか、という体制的対立である。したがってこの戦いは長引くであろう。

アメリカの怒りは第1に、中国の為替操作や強制的技術移転、さらには特許技術のパクリ、不正な補助金などの自由で公正な貿易に反する行為の結果、アメリカが昨年だけで3750億ドルの対中貿易赤字になったことである。トランプはこれを「略奪」と呼んでいる。第2に、「中国製品2025」の計画で①近代的情報技術②ロボット及び自動工作機械③航空機とその部品④船舶及び関連機器⑤新エネルギー輸送機関⑦発電送電装備⑧農業機械⑨新素材⑩薬品及び近代的医療機器などの生産に国家が取りくみ、21世紀の世界経済の支配的立場を確立する計画がアメリカの怒りを買うことになった。

第3に中国は大軍拡を進め、東シナ海と南シナ海の軍事支配を確立し、南シナ海の軍事化で、出撃基地としインド洋の支配を目指していること、中国政府の「一帯一路」戦略はユーラシア大陸とアフリカ大陸の勢力圏化を目指す世界戦略に他ならない。こうした戦略に基づいて中国はアメリカなど各国の選挙に介入し、アメリカの大学を買収し、ハッキングで先端技術を奪い、着々と対米貿易でえたドルで世界戦略を実行に移している。また北朝鮮の核隠蔽を支え、イランとの経済関係を強め、アフリカなどで新植民地政策を推し進めている。こうした帝国主義的動きをアメリカが許すはずがない。中国がハッキングでCIAの機密を盗み、中国国内のCIA組織を壊滅した事も、アメリカが中国を脅威に感じている理由である。

第4に、中国共産党が民主化するどころか、逆に絶対的人民支配を強化し、キリスト教を弾圧し、ウイグルやチベットでの植民地支配がますます強まっていることだ。これは中国の表面上の社会主義、実際の国家資本主義という官僚独裁からくる矛盾であり、アメリカ型自由主義とは相いれない。こうした対立が貿易交渉で解決できるわけがなく、中国政府が資本主義的社会改革を進められるわけでもない。

重要な事は、こうした米中の対立が資本主義の不均等発展の結果、世界の多極化が進んでいる中で起きていることだ。トランプはまるでロシア・中国・イランの独裁同盟を促すかの外交を取っており、したがって米ソの冷戦時と力関係が違うことだ。トランプの関税戦争であっても強いアメリカが復活する保障はなく、事態は複雑で関税戦争が逆にアメリカ経済を弱体化する可能性もある。アメリカの内政がグローバル化の反動復古のようになり、アメリカが孤立主義的貿易政策をとり、中国が自由貿易を掲げるように、この対立は複雑で流動的である。アメリカの中間選挙の動向やトランプの再選がどうなるかにより、事態は流動化するであろう。
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