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資本主義の不均等発展が多極化を促したこと!

資本主義の不均等な発展がアメリカを相対的に弱体化させた。アメリカ経済の世界経済に占める割合が急減した。アメリカ経済の相対的衰退はアメリカの一極支配を難しくした。とりわけ2008年のリーマンショック後に、アメリカの若者は不安定な雇用、低い賃金、高い医療費負担、学生ローンの急増に苦しむことになった。2016年の大統領選でアメリカの若者たちは「社会主義者」を自称するサンダース上院議員を支援した。この若者たちはいま多くが社会主義者となっている。つまり野党民主党の2極分化が進んだ。いまや民主党支持者の57%が社会主義を肯定的にとらえるまでになった。

アメリカの共和党も2極化が進んでいるがトランプ大統領が政権についているため、共和党支持者の8割がトランプを支持している。同盟国の安全保障にアメリカは金を使いたくない、というトランプ大統領の政策は「アメリカファースト」として白人労働者の層の強い支持を受けている。

トランプ大統領は、アメリカ市場に輸出して貿易黒字を上げている国は、アメリカから富を奪っていると考えており、貿易戦争をまず同盟国にしかけ、そして現在中国に貿易戦争をしかけている。つまりトランプ大統領が今回のINF全廃条約からの脱退で、新しい冷戦をしかけたのは、以前の米ソの覇権争いとは根本的に違うのである。前回は資本主義陣営としての社会主義へのイデオロギー的軍拡競争であったが、今回は自国の産軍共同体の経済のための独善的市場創出のための新しい冷戦である。

市場経済は労働力が安い国に資本の移動を促す、それゆえ中国経済はいつの間にか世界第2位の位置を獲得した。日本が世界第2位になった時、アメリカは1985年のプラザ合意と、続くルーブル合意で、日本は金利を低下させバブル経済を余儀なくさせられ、バブル崩壊で日本は失われた20年という長い経済停滞を余儀なくされた。中国も今回の貿易戦争で失われた20年に入るのかもしれない。この危機感が中国政府が日本に接近し始めた動機なのである。
アメリカ経済を弱体化させたのは、ほかならぬ彼らが進めた自由貿易体制が生みだした資本主義の不均等発展なのであり、それが相対的にアメリカ経済を弱体化させ、アメリカの一極支配を難しくさせ、多極化を促したのである。それゆえ多極主義者が世界の多極化を進めたのではない事を指摘しておく。

問題なのは、トランプの進める新しい軍拡と世界貿易の縮小が、アメリカと世界を経済恐慌へと引き込む危険があることだ。軍拡競争が戦争につながる危険も指摘しなければならない。経済危機を逃れるために人為的に市場をつくるという武器生産が戦争につながる危険は高いのである。
つまりアメリカの経済的弱体化がトランプ政権を生み、世界を多極化し、軍拡競争と世界貿易の縮小を招くことは、第3次世界大戦を招く危険が高まることを指摘しなければならない。
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