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現代は貿易が大国の戦争の手段となる時代だ!

トランプ大統領が始めた貿易戦争は、2国間の貿易交渉が安全保障と絡めて外交的圧力の手段となった。日本は黒字を削減するためにアメリカから高額な兵器をたくさん買うはめになった。トランプは北朝鮮の非核化への圧力を強めるために中国に貿易戦争をちらつかせた。中国が北朝鮮への影響力を拡大し、北朝鮮への経済支援を開始するや、それは本物の米中貿易戦争となった。アメリカの中国への関税制裁は、中国の「一帯一路」戦略や、先端技術戦略、さらには南シナ海の軍事拠点化などの軍事戦略へのアメリカの戦略的反撃に他ならなかった。

イギリスはEU離脱による、EU側の制裁を防ぐためにイギリスの核戦力によるEUの安全保障上のマイナスをちらつかせて、制裁の牽制を行っている。ロシアは東欧諸国への天然ガスの供給を武器にNATOへの接近をけん制した。中国は「一帯一路」戦略で自己の経済圏への囲い込みを強化した。このように現代は、大国の経済的圧力が安全保障や勢力圏形成の力となり、さらに極言すれば「貿易戦争」が、次の戦争の手段となる時代になっていることを指摘しなければならない。

かってアメリカは、第二次世界大戦に参戦するために、地球の裏側で日本への「ハルノ―ト」を突き付けることで挑発し、その経済制裁が真珠湾攻撃を誘い込み、第二次世界大戦に参戦する戦略目標を達成した。世界は今まさに、経済制裁が戦争開始の手段となる時代を迎えているのである。

とくにトランプの「アメリカ第一主義」は、先進資本主義国の同盟関係を空洞化し、西側同盟を4分5裂にし、ロシアは中東への戦略的影響力を拡大し、中国は南シナ海を軍事拠点とすることでアジア諸国の盟首の地位を獲得しつつある。トランプが同盟国の安全保障への意欲を示さなくなったことで、世界は一極支配から多極化の時代を迎えることとなった。この「多極化の時代」が貿易を戦争の手段とすることを推進したのである。

アメリカが自国第一主義となったこと、世界が多極化の時代を迎えたことが日本に要求しているのは、対米自立の時代を迎えたことを必然化している。日本は戦後72年立って、いまなおアメリカの従属国では生き延びることが出来ない時代であることを、すべての日本人は認識しなければいけない。自立と独自の戦略的外交で、日本の安全保障を再構築しなければいけない。貿易戦争が本物の戦争の手段となったことを自覚して、日本は防衛力の強化をして対米自立を目指さねばならない。もはや日本の防衛を他国に頼る時代ではないのである。
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