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独と露が接近する戦略的変化について!

トランプ大統領はドイツがロシアから天然ガスを輸入することを「不適切」「ドイツはロシアのとらわれ人だ」と批判した。G7の会議NATOの会議でもトランプはメルケルを批判し、激しく衝突し、2人は笑顔を交わすこともない。他方ロシアのプーチンはアメリカの経済制裁が続きルーブルの価値は制裁前の半分以下で、経済がピンチだ。

このドイツ首相のメルケルとロシアのプーチンが急速に接近している。メルケルは東ドイツ出身でロシア語が話せる。プーチンはKGB出身で東ドイツに派遣されていたからドイツ語が話せる。だからこの二人の8月のベルリンでの会談は通訳抜きで3時間にも及んだらしい。この会談内容は報道によると、ロシアとドイツを直接結ぶバルト海海底ガスパイプライン建設問題のようだが、そのほかにもウクライナ問題やシリア、イラン核合意など広範囲の話しをしたと見られている。

報道では、ドイツの政治家の間で、アメリカが孤立主義ではロシア抜きに欧州の安全保障問題はかたずかない、という機運が高まっているらしい。つまりトランプ外交が世界の戦略関係を急速に変えつつあるのだ。つまりドイツとロシアが接近する、この変化は互いにアメリカに嫌われた両者が、互いの利害の一致点を探るという、実務的な姿勢の産物だというのだ。

かつてソ連に対する反共同盟を崩すためにスターリンはナチスドイツとソ連の不可侵協定で、ナチスの矛先を西(英・仏へ)に向けたように、昨日の敵とも同盟を結ぶのが外交戦なのである。とりわけアメリカが同盟国を守らないようになった下では、アメリカの同盟国は自分の外交で安全保障を構築しなければならなくなる。

ドイツとロシアの接近はあまりにも影響が大きいので、メルケルとプーチンの間で何が話されたのか、具体的には一切漏れてこない。ただロシアはエネルギーを売り付け、ドイツはロシア市場を手に入れるという、両者の利害が一致している事は疑いなく、トランプの孤立主義が世界の戦略関係を大きく動かし始めた事に注目しなければならない。これは日本のアメリカ追づい一辺倒の安倍外交への疑問を高めずにはおかぬであろう。
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