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トランプの関税戦争は何処までやるのか?

カナダやメキシコに25%の関税をかけ、中国とは追加対中経済制裁で500億ドル相当に拡大し、さらには2000億ドル(約22兆円)の大規模制裁に焦点が移る。中国へのアメリカの要求は知的財産権の侵害をやめること、過剰な政府補助金でのハイテク産業育成策「中国製造2025」を放棄することだ。トランプはアメリカ市場への輸出拠点を潰したら、アメリカが産業国家に復活するとでも思っているかのようだ。

いま中国企業がやっている事は、ベトナムに倉庫を確保し、商品を少し手を加えて「ベトナム製」としてアメリカ市場に輸出することだ。日本企業は中国やメキシコやイギリスを輸出基地にしてきたが、そのすべてが関税戦争で破壊されようとしている。イギリスのEU離脱も、EU向け輸出基地にイギリスを位置付けてきた日本企業には大打撃となる。

トランプの、この「アメリカファースト」の政策で、アメリカ人はこれまでよりも高価な商品を買うはめになる。鉄鋼やアルミ製品に25%の関税をかけてもアメリカの鉄鋼産業やアルミ産業が復活するとも思えない。何故ならアメリカは人件費が高いのでむりなのだ。トランプは経済を強くして、その上で軍事力を強化しようとしているが、それが関税戦争でうまく行くわけではない。

安い労働力を求めて多国籍企業が発展途上国に工場を移転するのは競争力を高め利潤率を上げるためであり、それゆえ資本主義国家は不均等に発展する。資本主義の不均等発展にトランプはドンキホーテのように立ちはだかる。それでは生産拠点が中国やメキシコから別の国に移るだけなのだ。トランプの政策にもかかわらず、アメリカの多国籍企業が工場を自国に戻したというニュースは未だない。

オバマ時代のアメリカは、世界通貨のドル発行益を一人占めし、安く他国の商品を買いまくり、貿易赤字を武器に黒字国にアメリカ国債を買わせてドルを還流し、対価なしに貿易黒字国を搾取してきた。こうしてアメリカの国民は安く商品を手に入れることができたのである。アメリカの経済戦略の武器であった「貿易赤字」をトランプは削減しようと躍起になっているのだ。これではアメリカ金融資本は怒り心頭であろう。金融国家の有利を捨てて、まるで産業国家復活策を進めているのだ。これは政治と経済の「反動復古」というしかない。

トランプは金融資本家ではなく不動産屋だからこのようになるのだが、世界経済が大打撃にならないうちに何とか自由貿易に回帰できないものであろうか?世界の輸出基地を潰してもアメリカの利益にならない事がわかるまで、トランプの「アメリカファースト」の政策は続くと見なければならない。
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