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イランはホルムズ海峡を封鎖するのか?

トランプ大統領は12年間もかけて合意した「イラン核合意」をいとも簡単に破棄した。アメリカがイランに求める要求は4点で(1)ウラン濃縮の停止を含めた無期限の核開発制限(2)弾道ミサイルを拡散させない(3)シリアからイランの部隊を撤退する(4)イエメンやアフガニスタンの内戦に関与しない、である。

トランプ大統領はイランの脅威を受けているイスラエルの安全のために動くことで、中間選挙でユダヤロビーや、キリスト教右派の支持を固めたいのである。トランプはイラン産原油の輸入停止を各国に求めていおり、このアメリカのイラン経済制裁の期限は11月までであり、アメリカの中間選挙も11月である。

7月22日にはイランの最高指導者のハメネイ師が原油輸出が不可能になればホルムズ海峡の封鎖に踏み切るとの可能性を示唆したロウハニ大統領の発言への支持を表明した。8月2日にはイラン革命防衛隊が100隻以上の艦艇でホルムズ海峡の封鎖の演習を開始した。この演習の目的は世界に海峡封鎖の能力を示すことである。またイランは紅海のバベルマンデブ海峡の封鎖をイエメンのフーシ―派を通じて行う力がある。

問題はトランプがイランとの軍事対決まで意図しているのか?それとも中間選挙までの戦術なのか?であり、イラン産原油の輸出が止まればイランは海峡に機雷を敷設して揺さぶりに出ることは避けられないようだ。いずれにせよ原油価格は高騰する可能性があり、日本のように原油の70%をホルムズ海峡経由で輸入している国はエネルギー危機さえ心配される事態なのである。

ホルムズ海峡はペルシャ湾とオマーンの間の幅33キロの海峡だが、水深が浅く、大型タンカーの通れる部分は幅7キロしか無い。しかもイラン革命防衛隊は昔のアメリカ空軍が使用していたミサイルを保持している。海峡の封鎖能力があると見るべきで、トランプはオバマ前大統領の政策を潰すことばかりやっているが、イランの反撃による中間選挙でのリスクがあるので戦争までは踏み込めない可能性がある。

イランへのアメリカの経済制裁の結果イラン経済が衰退すれば、「窮鼠猫をかむ」事態もありうるし、原油価格の高騰は世界経済にとって脅威となりかねない。11月まで全世界がイランに揺さぶられることになる。
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