アメリカを弱体化させるトランプの傲慢人事!

トランプ政権の補佐官や閣僚の名前を覚えた時には、すでに辞任しているのだからややこしい。元々政権運営に必要な人事は575のポストがあり、そのうち1割ほどしかトランプ政権は決まっていなかったのに、目まぐるしく解任を繰り返すのは、トランプ大統領が自分を一度でも批判した人物を起用しない方針だからで、今回解任されたティラ―ソン国務長官はグローバリストで保護貿易主義のトランプとは意見が合わず、イランの核協定をめぐり対立していたという。

ティラ―ソン国務長官はトランプ大統領を会議でバカ呼ばわりしていたそうで、更迭は昨年末から規定の事と見られていた。北朝鮮との米朝協議もティラ―ソン国務長官は「蚊帳の外」であったという。そうなるとティラ―ソン国務長官と関係があったマティス国防長官やムニューシン財務長官も解任される可能性がある。

重要な事は、国務長官の後任がポンぺオCIA長官であることだ。ポンぺオ氏は対中国強硬派でゴリゴリの保守派である。中国を経済上の敵と位置付ける人物に外交をゆだねることは世界を「貿易戦争」に導くことは避けられない。ポンぺオ氏は対北朝鮮も強硬派で、イラン核合意にも批判的だ。経済・外交上のリスクは高まることは避けられない。アメリカの株価がティラ―ソン国務長官解任で下がったことがリスクの反映であることは明らかだ。

トランプの鉄鋼とアルミの関税がアメリカの鉄鋼・アルミ業界をテコ入れするにしても、原材料の値上げが他の大部分の製造業の競争力を奪うことは避けられず、アメリカ経済は弱体化する可能性が強い。また中国への関税攻勢で貿易黒字削減を果たそうとしても、中国の方にも米製航空機や大豆など農産物の輸入見直しなど報復・制裁の強力な手段があるので、トランプの保護貿易主義がアメリカ経済に打撃となる可能性は高い。

トランプ大統領のイエスマンだけで政権を固めようとする傲慢な人事を見ていると、これまで積み上げてきた同盟国との経済関係を破壊しかねない危うさを見せている。アメリカの経済戦略として、過去の政権が積み上げてきたTPPから離脱する愚は、経済戦略がトランプには理解出来ない事を示している。トランプの政策は時代遅れの産業資本家の政策であり、アメリカが金融国家であることをトランプは考慮していないのである。

アメリカの政権内から、トランプの間違った政策に反対できる人物が次々去ることは、欧州や日本、カナダやメキシコなどの同盟国の政治家に、アメリカへの不信を拡大することでしかない。トランプ政権の何をやるか分からない不安定性が国際経済の不安定要素となっており、下手をするとアメリカが外交面で孤立することもあり得る事態なのである。
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