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習近平の無期限独裁政権は内外に災いを招く!

中国共産党中央委員会は、2月25日国家主席の任期に関する制限を撤廃する提案を全人代に提出することに決めた。昨年の第19回党大会で党規約の冒頭に「習近平新時代の中国の特色ある社会主義国家」を明記することが決まっており、憲法にも同様の習近平思想を盛り込むことが検討されていたのである。

この習近平の狙いは何なのかというと、自分が毛沢東のように終身最高指導者に付くことが狙いであることは明らかだ。今の中国は中国共産党の一党支配であるので上から下まで官僚の腐敗がおびただしく、いくら習近平が「ハエもトラも対峙する」といっても、一向に官僚の腐敗が止まず、これを放置することは共産党支配=官僚独裁の崩壊につながる。

政治の腐敗を減少させるには多党制がいいのであるが、中国の場合は一党支配を崩すわけにはいかない。毛沢東は型破りの革命家なので、文化大革命で青年(=紅衛兵)の力で、共産党の官僚独裁打倒の予行演習を展開したのであったが、習近平は自己の独裁を強化し、「反腐敗」の強権的体制で反対派閥と対峙してきただけに、その政権の期限の撤廃は極めて危ういというしかない。

習近平の独裁体制に、一方の「反腐敗」で粛清された方(団派や江沢民派や軍など)は恨み骨髄であり、他方の習近平派は独裁が固まれば、自派の腐敗が深まるのは避けようがない。いまは「反腐敗」が人民の支持を受けているにせよ、いずれ自派の腐敗が極まれば人民はそれを許さないであろうし、粛清された勢力が好機とばかり、習近平派の打倒に動くので、習近平の無期限独裁政権化はむしろ災いを招くと見た方がいい。

強権によって政権の安定を図るやり方は、一見強力に見えるのであるが、実際には独裁権力ではなく多党制の民主的装いの方が政権は強固になる。つまり独裁政権の強固化とその無期限化は、政権の脆弱性を結果としてもたらすのである。問題の重要性は習近平が「富強」の中国が世界で覇権を打ち立てることを「中国の夢」の実現としていることである。中華思想に裏打ちされたこの覇権主義は、習近平独裁の脆弱性を克服する手段として、官僚の腐敗で政権が危機に陥ると内的矛盾を外的矛盾にすり替えることで危機を乗り切ることを前提としていることである。

ゆえに習近平の無期限独裁政権化は隣国の日本にも、将来被害をもたらすのは確実なので、日本は中国の軍拡に対応して、侵略への備えを万全にしておくべきなのである。
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