現在の国際情勢は誰かが意図したものではない!

現在の多極化の趨勢を、アメリカの「多極主義者」が目的を持って進めている、と解する見方をする人がいる。しかしこれは間違いである。現在の多極化、すなわちアメリカ経済の相対的衰退は、その根本的原因は資本主義の不均等な発展の結果であり、アメリカ経済がドル支配の下で帝国主義として不朽性と寄生性を深めた結果に過ぎない。

アメリカは金融資本の国であり、ドル支配が作り上げた経済覇権の仕組みから疎外された勢力(旧産業資本家や製造業の労働者など)がトランプの保護貿易主義を支持した結果、これまでのアメリカの貿易黒字国を搾取する仕組みに攻撃を加える結果となっているにすぎない。

アメリカの莫大な貿易赤字は、貿易黒字国に米国債を売り付けることで貿易黒字国の富を見返りなしに搾取する金融覇権国の特権の結果であった。ところがトランプ大統領はアメリカのドル支配のこの仕組みを、貿易赤字の削減で攻撃を加えているのである。コーカー米上院外交委員長が8月17日トランプ大統領に対し「安定感と能力を示せていない。」「この国の本質」さえも理解できていない、と痛烈に批判したのは、アメリカの貿易黒字国を搾取するドル支配の仕組みをトランプが破壊しているからなのだ。

つまりトランプ政権はアメリカ支配層の言わば「歴史の後退」あるいは「反動」と言えることであり、トランプ政権が長く続くわけがない事を指摘しておかねばならない。つまりアメリカの多極主義者が目的意識的に覇権の放棄を進め、多極化を目指しているのではない。そうではなく資本主義の不均等発展がアメリカの覇権を相対的に弱めているというのが真実なのである。

資本主義の不均等発展は、中国拡張主義を経済大国から軍事大国へと脱皮させており、アメリカとの覇権の分有すら夢見るに至っている。これは決していわゆる「多国主義者」の政策の結果等ではないのである。つまり世界の多極化の現象を、主観的・一面的・表面的に説明するのではなく資本主義の不均等発展という経済法則から国際情勢の変化を見ることが重要なのである。
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コメント

正しいです。

 田中宇さんは、「多極主義者」のせいで多極化が進んでいる、といってます。
 資本主義の不均等発展から見るべき、というのが正しいと思います。

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