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米戦略を破壊したオバマのレガシー政治!

覇権国が戦争疲れし「息継ぎの和平」に戦略転換することがある。ベトナム戦争後のジミー・カーター大統領の時がそれにあたる。オバマ政権も湾岸戦争・アフガンでの戦争・イラク戦争と続き、アメリカ経済は疲弊し、「息継ぎの和平」に戦略転換した。これがいわゆる帝国主義和平である。

ふつう覇権国の「息継ぎの和平」は同盟国を温存し、敵とは外交的・文化的に闘うものである。しかしオバマの「息継ぎの和平」は少し違いがあった。敵国をテコ入れし、拡張させ、同盟国の安全保障は危機に直面することとなった。ウクライナのクーデターは内戦からロシアに戦略的拠点のクリミヤ半島を併合させ、経済制裁で中国の側に追いやった。アジア諸国は中ロの艦隊が東シナ海と南シナ海で共同演習するのを見る事となった。

中国覇権主義に対してもオバマは寛容であった。中国拡張主義は東シナ海の防空識別圏を獲得し、南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事基地を多数建設した。アジアにおけるアメリカの軍事的プレゼンスは崩れた。アメリカの同盟国のフィりピンはオバマに麻薬犯罪者への強硬姿勢を批判され、中国へ接近することとなった。

オバマは政治的レガシー(遺産)作りのため「核の先制不使用」の政策に転換を試みた。しかしアメリカの核の傘の下にいる日本・韓国・フランス・イギリスの安全保障上の懸念表明で、諦めざるを得なかった。北朝鮮等への核抑止力がなくなる懸念は深刻で、安倍首相はその危険をハリス米太平洋軍司令官に直接伝えたほどである。

オバマのレガシー外交の誤りは、就任して核廃絶の演説でノ―ベル平和賞を受賞したことから始まった。自分の個人的遺産作りで外交を捻じ曲げたため、アメリカの世界戦略は大きな損害を受けた。中東のイランは核開発の許しを得て、地域覇権国の地位を得た。ロシアは中央アジアの盟主の地位を獲得し、プーチンを地政学に目覚めさせた。中国覇権主義は西太平洋とインド洋への進出拠点として南シナ海全域の「管轄権」を確保し、軍事力を空前に増強した。

中東・中央アジア・東アジア・南アジアのアメリカの同盟国は安全保障上の危機に直面することとなった。アメリカの外交は同盟国から疑念の目で見られ、これまで積み上げたアメリカの覇権外交は重大な損失を被ったのである。これに危機感を持ったのが米軍・CIAなど産軍複合体であった。大統領選の最中に、「オバマ政治の継承」を語ったクリントンの追い落としを決意させたのであるから。オバマは自分のレガシー(遺産)作りで、逆にレガシーを全て失うことになりそうだ。

一国の大統領の政治が戦略を捻じ曲げ、個人的レガシー作りにすり替えると国家戦略が損失を被るだけでなく、アメリカの敵である独裁政権=中国・ロシア・イランを強化・拡大する事になった。オバマの「息継ぎの和平」の政策は、経済再建で力を蓄える点でも失敗で、アメリカ経済は未だに低迷している。アメリカの経済的戦略であったTPPは、トランプ次期大統領の登場で絶望となった。アメリカ戦略は散々な状態となった。

つまりトランプ政権の誕生は、オバマのレガシー作りでクリントン政権を目指した事が貢献したと言えるのである。オバマはジミー・カーター元大統領に「息継ぎの和平」の政策を学ぶべきであった。彼の政治的レガシーはオバマケアから反核、温暖化対策、独裁国家への優しき外交まで、全てトランプ政権に踏みつぶされる事となるであろう。国家戦略を個人的理由で捻じ曲げた結果であり、クリントンはこうしたオバマ外交の誤りを批判せず「継承」を語ったことが産軍複合体をトランプ支持にさせて大統領に成り損ねたのである。
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