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中国の戦略に取り込まれるオーストラリア!

世界最大の資源受け入れ国の中国が、世界最大の資源輸出国のオーストラリアを経済的に取り込みつつある。タンブール・オーストラリア首相は中国ビジネスで成功した人物で、中国寄りの姿勢が目立つという。

中国政府は、オーストラリア北部などで巨費を投じてインフラ整備計画を進め、アメリカ海兵隊が拠点を置くダーウィンの港湾権益を昨年中国企業が落札した。これは明らかにアメリカの戦略配置を崩す狙いを秘めている。

南シナ海の軍事拠点化を進める中国が、オーストラリアのアメリカの軍事拠点化を阻止すれば、インド洋や西太平洋の管轄権を打ち立てる上で中国海軍は優位になる。中国系の個人や企業からオーストラリアの2大政党への政治献金が外国関係では飛び抜けて多くなっており、同国の多くの政治家が中国の招待で訪中して豪華な接待を受けているといわれる。

中国の経済的投資はオーストラリアだけでなく、シンガポールやインドネシアに今年第一四半期に前年同期比4割増の約36億ドル(約3700億円)を投資した。アメリカが内政重視で世界戦略を展開できない内に、中国が「一帯一路」構想という世界戦略を着々と進めている。つまりオーストラリア政府は今や経済力で中国に戦略的に取り込まれつつあるのだ。

中国政府が莫大な経済協力でフィリピンを取り込み、フィリピンとアメリカの軍事同盟さえ危うくなっている事と照らし合わせると、アメリカはオーストラリアと言う最大の戦略的同盟国をも、むしり取られつつあると言える。誰が考えても経済的利益をもたらす方へ靡くことは道理なのである。

オバマ政権のアジア重視は空虚で、実際の戦略的な動きな無きに等しい。戦略的には西太平洋とインド洋の主導権は中国が握りつつあると言える。オーストラリアで中国の地政学的野心に対し警戒感が高まっていることは、オーストラリアへの中国の経済的浸透が半端ではない事を示しているのである。

日本のそうりゅう型潜水艦のオーストラリアへの売り込みが破綻したのはこうした中国のオーストラリアの戦略的取り込みが浸透していた結果なのである。日本政府は戦略的に頼りにならないアメリカだけをいつまでも頼りにできない事態であることを自覚しなければならない。

日本は対米自立して、同時に対ロシア外交を戦略的なものとし、ロシアを取り込み中国覇権主義の侵略の野望への備えを強化しなければならない。自分の国は自分の力で守るほかないことの強い決意と共に、独自の戦略的外交を展開する時期が来ているのである。いまやアメリカ一辺倒は亡国への道であることを忘れてはいけない。アメリカは「アメリカ第一主義」の時代なのである。
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