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内的矛盾の激化で覇権戦略実行でないアメリカ!

オバマ大統領の対アジア「ピボット政策」とは軍事的にアジアに6割の軍事力を展開し、経済戦略として環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を結ぶことで台頭する中国覇権主義を抑止するものであった。

このアメリカのアジア重視戦略は実際には機能していない。アメリカは今も中東重視であり、戦争の民間委託の形で今もアフガン・イラク・シリアで戦争が続いている。

アメリカはロシアを中国の方に追いやり、中国・ロシアの同盟は強固になった。ロシアはウクライナと黒海を支配し中東に進出し、中国は東シナ海と南シナ海で軍事的拠点化を進め、インドの東部と西部への侵略を試みている。

アメリカのアジアへの「ピボット政策」とは危険な拡張主義の中国の矛先を東へ(アジアに向け)。アジアを巨大な武器市場にする狙いを持つものであった。ところがアメリカ国内での格差社会の拡大がこうした戦略を破綻させている。

TPPは経済戦略として出されたものであるが、アメリカ国民は「雇用を奪うもの」としか認識できず。民主・共和の大統領候補がTPPに反対する事態の中で、オバマ政権はTPPを批准出来なくなっている。

アメリカ海軍の「航行の自由」作戦は極めて控えめで、どちらかと言うとロシア・中国の両海軍の艦隊の共同演習の方が規模も大きく目立ったのである。今やアジアは北朝鮮の核武装と中国の海洋支配の前に、フィりピンのように経済的に中国になびく事態が生まれている。TPPが比準できないまま、中国のアジアインフラ投資銀行が勢力を拡大することは避けられない。

アジアで戦略を展開できないアメリカ、しかもトランプは日本や韓国、サウジなどを守りたくない、守ってほしいなら費用を負担せよ、と叫んでいる。アメリカの大統領選は現状への不満を代表するトランプが断然有利なのである。

アメリカのオバマ外交はヒトラーの矛先を東に向けたチェンバレン英首相のごとく中国覇権主義をアジアでのさばらせるだけであり、とりわけ東北アジアは、北朝鮮の核武装の脅威、中国の侵略の脅威に直面している。アメリカが覇権戦略を実行できない国内的弱さの下で、日本は亡国の危機に有ると言ってもよい。

オバマのよろめくような日和見的覇権行使の放棄は、中国拡張主義の凶暴さを一層浮き彫りにするであろう。日本は対ロシア外交と防衛力強化を急がねばならない。
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