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中国の反日連合(中・韓・露)戦略外交の失敗!

日本の戦前の3国同盟参加が亡国を招いたように、隣国韓国のパク・クネ大統領の中国すり寄り外交が、不幸にも中国の経済制裁を招くことになった。

外交の背後に隠されたその国の戦略的狙いと、それをめぐる大国の戦略関係を読み解いて外交を展開しないと小国は亡国を招くことになる。

中国覇権主義は、アメリカが「息継ぎの和平」に戦略転換して以後、好機とばかり海洋進出の戦略を推し進めた。中国の狙いは西太平洋とインド洋の管轄権を確保することで有った。そこで目を付けたのが日本に対する韓国の反日・戦争賠償要求を利用し、竹島・尖閣・北方領土の領土問題での共闘を韓国とロシアに呼びかけたのである。

中国市場への輸出依存度を高めていた韓国は、アメリカの従属国で有るにもかかわらず、目先の利益に飛びついた。昨年9月の「対日戦争勝利70周年記念式典」と大軍事パレードにパク・クネ韓国大統領は親米国から唯一参加し、北京との蜜月ぶりを見せつけた。

しかし、今年になり北朝鮮が核実験とミサイル実験を行ったことで、半島における軍事バランスは北朝鮮有利に転換する羽目になった。慌てた韓国は北朝鮮への影響力の無い中国に失望、アメリカの高高度ミサイル防衛(THAAD)システムの年内配備を受け入れた。

アメリカの高高度ミサイル防衛(THAAD)システムに付随するXバンドレーダーは約1000キロもの探知能力が有る。つまり中国北部の軍事的動きを丸裸にされることになるだ。これに中国政府と軍部が反発した。激怒した中国政府は7月中旬のモンゴルでのアジア欧州会議での韓中の首脳会談を拒否した。

7月14日の別の首脳会談(対外連絡部幹部と京畿道知事)も中国はキャンセルした。さらにアジアインフラ投資銀行に韓国が3700億円も出資しているのに副総裁を務めていた洪韓国産業銀行会長は辞任に追い込まれた。その後報道によると韓国人ビジネスマンの中国入国禁止や中国人観光客の韓国旅行規制が始まっている。韓流芸能人の中国での活移動も規制され始めている。

中国政府は経済制裁でアメリカの高高度ミサイル防衛(THAAD)システムの年内配備を阻止しようとしているように見える。韓国は現在経済危機で多くの企業が倒産の危機に有る。したがってアメリカや日本から離れるわけにいかず、中国の制裁は失敗に終わるであろう。最近中国が北朝鮮に接近し制裁を解除し始めているのは、韓国の反日連合取り込みに失敗したからである。もちろん安倍政権の日韓関係改善も適切で有った。

中国の反日領土問題の連合によるロシアの取り込みも失敗した。福島の原発事故後日本はロシアの重要な外貨獲得源としての天然ガス輸入国となっており、またプーチン政権はシベリア開発に日本の資金と技術を必要としていること、さらには中国覇権主義の矛先が人口の希薄なシベリアに向いていることをロシアが警戒していることが、中国の中・韓・ロ反日連合が成功しなかった原因であった。こうして中国覇権主義の反日外交はことごとく失敗し、腹立ちまぎれに韓国への制裁を行っている。

中国外交の失敗は経済を先行させず、性急な軍事戦略優先の砲艦外交ゆえのものである。戦略外交は対象国の経済的利益を考慮しないと成功しないのである。
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