fc2ブログ

中国経済の現局面は官僚的強権の悪あがき!

「中国では全てがかなり計画通りに、予想通りに進んでいる。言い換えれば、非常に悪い方向にという意味だ。」ロイターはそう中国経済の現局面を表現した。

二桁の数字で輸入資材が減少し、輸出も大きく減少し、外国企業の多くが撤退し、外資が逃避しつつあるのに、習近平は「今年の成長率は7%程度になる」とG20でのべた。出席者の誰一人信用せず、冷淡な反応だったという。

いまや中国政府の発表する経済指標が信用ならないことは世界の常識である。彼らの特徴は権力的統制は万能だと信じていることである。上海の株式市場はこの統制で崩壊を凍結した。彼らは1党支配の独裁が中国経済の強みだと考えている。経済危機ですら統制できるというのが中国共産党走資派指導部の考えなのである。

ところが資本主義は自由と民主主義がなければ発展しないのである。資本主義は自由放任の経済であり、社会主義的な所有制の下では価値法則は貫徹しないのである。中国経済が沿海地域の輸出基地として外国企業が進出する間は高度成長するが、内陸部に経済開発の重点を置き始めるやあらゆる開発計画は失敗し「新鬼城」とよばれるゴーストタウンがたくさん生まれ、投資は焦げ付いた。つまり中国経済を国内市場中心に転換することは経済的に非常に難しいのである。

ましてや過剰な生産設備を解体したり、国営企業を民営化することは、高級官僚達の権益に手を付けることになるのでできない。従って今後訪れる中国経済の危機がハードかソフトかは統制の度合いと関係し、強権で統制すればするほど中国の経済的衰退は長引くことになる。走資派指導部は国費の投入で危機を逃れようとし、それに従い経済危機の国民への苦痛は増加し、階級矛盾は激化する。

中国では、土地を払い下げらることで不動産業の成り金は大層な利益に有りつく、言い換えれば彼らは国家財産を政治利権で横領しているのである。従って党幹部の腐敗はおびただしく、人民の幹部への批判の声も大きくなるばかりで、これを押さえようと反腐敗の「トラもハエもキツネも」退治しなければならない。腐敗幹部の摘発は習近平が幹部達から敵対し、孤立することでもある。

結局中国走資派指導部は、人為的市場創出としての兵器生産の拡大を続けるほかなく、国内の過剰な在庫のはけ口として国外に市場を求めるほかない。習近平のアジアインフラ投資銀行や、親シルクロード構想(一帯一路)は過剰生産のはけ口を求めるものなのである。真に資本主義の市場経済なら売れなくなれば生産しないのだが、中国のように統制が力と認識している国では生産を続けるほかなく、外交は軍事力による対外拡張主義とならざるを得ないのである。だからヒトラーのように「抗日戦争記念大軍事パレード」が必要になる。

つまり中国経済の危機は、官僚統制の悪あがきによって経済的破産から軍事的破滅に向かう可能性を高めているのである。中国の動向が世界の不安要素となり、それが長引く可能性が強まっているのである。日本は中国の侵略に備えを急ぐべきである。対米自立で米中戦争に巻き込まれないようにすることも政治課題となっている。
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

SEO対策:政治